Docker コンテナからホストへのファイルコピー:コード例解説

2024-08-20

Docker コンテナからホストへのファイルコピー

Docker コンテナは、アプリケーションとその依存関係をパッケージ化した独立した実行環境です。このため、コンテナ内外のファイルのやり取りが必要になることがあります。

コマンド

Docker コンテナからホストへファイルをコピーするには、以下のコマンドを使用します:

docker cp コンテナ名:コンテナ内パス ホスト上のパス
  • コンテナ名: コピー元のコンテナの名前または ID
  • コンテナ内パス: コンテナ内のファイルまたはディレクトリのパス
  • ホスト上のパス: コピー先のホスト上のパス

docker cp my_container:/app/data/output.txt /path/to/host/directory

このコマンドは、コンテナ my_container 内の /app/data ディレクトリにある output.txt ファイルを、ホストの /path/to/host/directory ディレクトリにコピーします。

注意事項

  • コンテナが実行中の状態でコピーする必要があります。
  • ファイルパーミッションが変更される可能性があります。
  • 大量のデータをコピーする場合、時間がかかることがあります。
  • ボリュームマウント: ホストのディレクトリをコンテナ内にマウントすることで、ファイルの共有が可能になります。
  • コンテナ内からのコピー: コンテナ内で cp コマンドを使用して一時ファイルを作成し、その後 docker cp でホストにコピーすることもできます。
  • コンテナ内のファイルシステムは、ホストのファイルシステムとは異なるため、直接アクセスすることはできません。
  • Docker コンテナは、アプリケーションの分離と移植性を向上させるために使用されます。



コマンド docker cp の詳細と例

docker cp コマンドは、Docker コンテナとホスト間でファイルをコピーするためのシンプルな方法です。

基本的な構文:

docker cp コンテナ名:コンテナ内パス ホスト上のパス

例:

docker cp my_running_container:/app/data/results.csv /home/user/data

このコマンドは、以下のことを行います。

  • my_running_container: コピー元のコンテナを指定します。
  • /app/data/results.csv: コンテナ内のコピー元ファイルのパスを指定します。
  • /home/user/data: ホスト上のコピー先ディレクトリを指定します。
    • 既に data ディレクトリが存在していれば、その中に results.csv ファイルが作成されます。
    • ディレクトリが存在しない場合は、新しいディレクトリが作成され、その中にファイルがコピーされます。

具体的なユースケースと解説

  • ログファイルの取得:
    docker cp my_web_app:/var/log/myapp.log /tmp/myapp_logs
    
    コンテナ内のアプリケーションのログファイル myapp.log を、ホストの /tmp ディレクトリに myapp_logs という名前でコピーします。
  • 生成されたファイルのダウンロード:
    docker cp my_data_processing_container:/output/processed_data.zip /home/user/downloads
    
    データ処理コンテナ内で生成された processed_data.zip ファイルを、ホストのダウンロードディレクトリにコピーします。
  • 設定ファイルの更新:
    docker cp new_config.yaml my_running_container:/etc/myapp/config.yaml
    
    ホスト上の新しい設定ファイル new_config.yaml を、コンテナ内の既存の設定ファイルに上書きします。
  • コンテナの状態: コンテナは実行中である必要があります。停止しているコンテナからはコピーできません。
  • ファイルパーミッション: コピー先のファイルのパーミッションは、ホストのファイルシステムの設定に依存します。
  • 大容量ファイル: 大量のデータをコピーする場合は、時間がかかる場合があります。
  • ボリュームマウント: より頻繁なファイルのやり取りや、大規模なデータの共有には、ボリュームマウントが適しています。

docker cp コマンドは、Docker コンテナとホスト間のファイルコピーを簡単に行うための便利なツールです。ログの取得、データのダウンロード、設定ファイルの更新など、様々なユースケースで活用できます。




ボリュームマウント

メリット:

  • ファイルの変更がリアルタイムに反映される。
  • docker cp コマンドを使用するよりも効率的。
  • 大量のデータを頻繁にやり取りする場合に適している。
  • ホストのファイルシステムに直接アクセスできるため、誤ってコンテナ内のファイルを削除してしまう可能性がある。
  • セキュリティ上のリスクが高まる可能性がある。
docker run -v /path/to/host/directory:/container/directory my_image

このコマンドは、ホストの /path/to/host/directory をコンテナ内の /container/directory にマウントし、コンテナを起動します。

コンテナ内からのコピー

  • コンテナ内で複雑なファイル操作を行う場合に有効。
  • スクリプト化しやすい。
  • docker cp コマンドを2回実行する必要があるため、若干手間がかかる。
docker exec my_container cp /app/data/output.txt /tmp/output.txt
docker cp my_container:/tmp/output.txt /path/to/host/directory

rsync

  • 部分的な同期が可能。
  • 圧縮転送により、ネットワーク帯域を節約できる。
  • 複雑な同期ルールを設定できる。
  • docker cp コマンドよりも設定が複雑になる。
  • rsync をコンテナ内にインストールする必要がある。
docker exec -it my_container rsync -av /app/data/ /tmp/backup
docker cp my_container:/tmp/backup/ /path/to/host/backup

どの方法を選ぶべきか?

  • 頻繁なファイルのやり取り: ボリュームマウント
  • 単純なファイルコピー: docker cp コマンド
  • 複雑なファイル操作: コンテナ内からのコピー、rsync
  • 大容量ファイルの転送: rsync
  • セキュリティ: ボリュームマウントはセキュリティリスクが高いことを考慮する

Docker コンテナとホスト間のファイルコピーには、様々な方法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、利用シーンに合わせて最適な方法を選択することが重要です。


docker docker-container file-copying



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