MariaDBのインデックスチューニング:パフォーマンスとサイズを最適化する
MariaDBにおけるインデックスキーサイズの制限
InnoDBストレージエンジンの場合、以下の制限が適用されます。
- DYNAMIC または COMPRESSED テーブルフォーマットを使用する場合: インデックスキーの接頭辞の長さは最大 3072バイト です。
MyISAMストレージエンジンの場合、インデックスキーの最大長は 1000バイト です。
- 複数カラムインデックスの場合、インデックスキーの合計サイズは、上記の制限を超えてはいけません。
- インデックスキーの長さは、ページサイズによっても制限されます。例えば、ページサイズが 8K バイトの場合、インデックスキーの最大長は 1536 バイトになります。
インデックスキーサイズ制限の影響:
インデックスキーサイズ制限は、以下の点に影響を与えます。
- インデックスのパフォーマンス: インデックスキーが長いほど、インデックスの検索にかかる時間が長くなります。
- テーブルのサイズ: インデックスは、テーブル内に格納されます。インデックスキーが長いほど、テーブルのサイズが大きくなります。
インデックスキーサイズ制限を回避するには、以下の方法があります。
- インデックスキーの長さを短くする: 使用するインデックスキーに必要な列のみをインデックスに含めます。
- 複合インデックスを使用する: 複数の列を結合してインデックスを作成することで、個々の列のインデックスキーサイズを短くすることができます。
- 全文インデックスを使用する: 長いテキストデータをインデックスするには、全文インデックスを使用します。
-- InnoDBストレージエンジン、DYNAMICテーブルフォーマットの場合
CREATE TABLE users (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
email VARCHAR(255) UNIQUE NOT NULL,
INDEX idx_name_prefix (name(50)) -- インデックスキーの接頭辞の長さを50バイトに制限
);
-- InnoDBストレージエンジン、REDUNDANTテーブルフォーマットの場合
CREATE TABLE products (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
price DECIMAL(10,2) NOT NULL,
INDEX idx_name_price (name(20), price) -- 複合インデックスを使用し、name列のインデックスキーの長さを20バイトに制限
);
-- MyISAMストレージエンジン
CREATE TABLE customers (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(100) NOT NULL,
address VARCHAR(255) NOT NULL,
phone VARCHAR(20) NOT NULL,
INDEX idx_phone (phone) -- 単一列インデックス
);
上記のコード例は、MariaDBにおけるインデックスキーサイズの制限を回避する方法を示しています。
idx_name_prefix
インデックスは、name
列の最初の50バイトのみをインデックスします。これは、name
列の値が非常に長くなる可能性がある場合に役立ちます。idx_name_price
インデックスは、name
列の最初の20バイトとprice
列をインデックスします。これは、製品の名前と価格で検索する必要がある場合に役立ちます。idx_phone
インデックスは、phone
列をインデックスします。これは、電話番号で顧客を検索する必要がある場合に役立ちます。
テーブルを複数のパーティションに分割することで、各パーティションに個別のインデックスを作成できます。これにより、インデックスキーサイズの制限をパーティションごとに適用できます。
CREATE TABLE products (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
price DECIMAL(10,2) NOT NULL,
created_at DATE NOT NULL
)
PARTITION BY RANGE (created_at) (
PARTITION p2020 YEAR(created_at) = 2020 INDEX idx_name_price_2020 (name(20), price),
PARTITION p2021 YEAR(created_at) = 2021 INDEX idx_name_price_2021 (name(20), price),
PARTITION p2022 YEAR(created_at) = 2022 INDEX idx_name_price_2022 (name(20), price)
);
生成された列を使用する:
長い文字列を格納する列に対して、生成された列を使用することで、インデックスキーのサイズを短縮できます。生成された列は、元の列から派生した新しい列であり、元の列よりも短い形式でデータを格納できます。
CREATE TABLE users (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
email VARCHAR(255) UNIQUE NOT NULL,
name_hash CHAR(32) AS (SHA2(name)) NOT NULL,
INDEX idx_name_hash (name_hash)
);
キャッシュを使用する:
頻繁にアクセスされるデータに対してキャッシュを使用することで、インデックスへのアクセスを減らすことができます。これにより、インデックスキーサイズの制限の影響を軽減できます。
検索クエリを最適化する:
適切な検索クエリを使用することで、インデックスの使用効率を改善できます。例えば、LIKE句ではなく、PREFIX句を使用するなど、より具体的な検索条件を使用します。
ハードウェアをアップグレードする:
より多くのメモリとストレージ容量を備えたハードウェアを使用することで、インデックスキーサイズの制限を緩和できます。
indexing key limit