C++のコマンドライン引数 int argc, char *argv[] の具体的なコード例と解説

2024-08-22

C++でint argc, char *argv[]の意味を日本語で解説

int argc, char *argv[]は、C++プログラムのメイン関数(main())に渡される引数を表すパラメータです。

  • argc: これは整数型(int)の変数で、プログラムに渡されたコマンドライン引数の個数を表します。
  • argv[]: これは文字配列(char *)の配列で、コマンドライン引数の内容を文字列として格納しています。各要素は、コマンドラインで入力された引数を表します。

例: `` int main(int argc, char *argv[]) { std::cout << "引数の個数: " << argc << std::endl;

for (int i = 0; i < argc; i++) { std::cout << "引数[" << i << "]: " << argv[i] << std::endl; }

return 0; } ``

このプログラムを実行して、以下のようにコマンドラインで引数を指定すると:

./myprogram hello world 123

出力は次のようになります:

引数の個数: 3
引数[0]: ./myprogram
引数[1]: hello
引数[2]: world

argcは3になり、argv[]には"./myprogram""hello""world"がそれぞれ格納されます。




C++のコマンドライン引数 int argc, char *argv[] の具体的なコード例と解説

コマンドライン引数の受け取りと表示

#include <iostream>

int main(int argc, char *argv[]) {
  // 引数の個数を出力
  std::cout << "引数の個数: " << argc << std::endl;

  // 各引数の内容を出力
  for (int i = 0; i < argc; i++) {
    std::cout << "引数[" << i << "]: " << argv[i] << std::endl;
  }

  return 0;
}

解説:

  • argc: コマンドライン引数の個数を表す整数型変数です。
  • argv[]: 各コマンドライン引数を文字列として保持する文字配列へのポインタです。
  • forループ: argcの値だけ繰り返し、argv[i]で各引数にアクセスし、内容を出力します。

実行例:

./myprogram hello world 123

出力:

引数の個数: 3
引数[0]: ./myprogram
引数[1]: hello
引数[2]: world
引数[3]: 123

コマンドライン引数を使った計算

#include <iostream>
#include <cstdlib>  // for atoi

int main(int argc, char *argv[]) {
  if (argc != 3) {
    std::cerr << "引数の個数が不正です。2つの数値を入力してください。" << std::endl;
    return 1;
  }

  // 文字列を整数に変換
  int num1 = atoi(argv[1]);
  int num2 = atoi(argv[2]);

  // 計算結果を出力
  std::cout << num1 << " + " << num2 << " = " << num1 + num2 << std::endl;

  return 0;
}
  • 引数の個数のチェック: argcが3でない場合、エラーメッセージを出力して終了します。
  • 文字列から整数への変換: atoi関数を使って、argv[1]argv[2]に含まれる文字列を整数に変換します。
  • 計算: 変換した2つの整数を足し算し、結果を出力します。
./myprogram 10 20
10 + 20 = 30

コマンドライン引数による条件分岐

#include <iostream>
#include <string>

int main(int argc, char *argv[]) {
  if (argc != 2) {
    std::cerr << "引数が一つ指定されていません。" << std::endl;
    return 1;
  }

  std::string arg = argv[1];
  if (arg == "--help") {
    std::cout << "このプログラムの使い方:" << std::endl;
    std::cout << "./myprogram <オプション>" << std::endl;
    std::cout << "  --help: ヘルプを表示" << std::endl;
  } else {
    std::cout << "未知のオプション: " << arg << std::endl;
  }

  return 0;
}
  • 引数の比較: argv[1]の内容を--helpと比較し、一致する場合にはヘルプメッセージを表示します。
./myprogram --help
このプログラムの使い方:
./myprogram <オプション>
  --help: ヘルプを表示
  • ファイル名の指定: ファイルの読み書きに使用するファイル名をコマンドライン引数で指定する。
  • モードの切り替え: プログラムの動作モードをコマンドライン引数で切り替える。
  • デバッグモードの有効化: デバッグ用のオプションをコマンドライン引数で指定する。

int argc, char *argv[]は、C++プログラムに柔軟性を与えるための強力なツールです。コマンドライン引数を使うことで、プログラムの実行時に様々なパラメータを指定し、プログラムの動作を制御することができます。

  • argv[0]には、プログラム自身の実行ファイル名が格納されています。
  • atoi関数の他にも、std::stoi関数など、文字列を数値に変換する様々な関数があります。
  • より複雑なコマンドライン引数の解析には、専用のライブラリを利用することもできます。



C++におけるコマンドライン引数の代替方法

C++でコマンドライン引数を扱う際、int argc, char *argv[]は最も一般的な方法ですが、他にもいくつかの代替方法や拡張があります。

標準テンプレートライブラリ (STL) の活用

  • std::vector<std::string>: より現代的で安全な方法として、std::vectorstd::stringを用いてコマンドライン引数を扱うことができます。
  • boost::program_options: Boostライブラリのprogram_optionsモジュールは、複雑なコマンドラインインターフェースを構築するための強力なツールを提供します。
#include <iostream>
#include <vector>
#include <string>

int main(int argc, char* argv[]) {
    std::vector<std::string> args(argv, argv + argc);

    // args[0]: プログラム名
    for (size_t i = 1; i < args.size(); ++i) {
        std::cout << "引数[" << i << "]: " << args[i] << std::endl;
    }
}

外部ライブラリの利用

  • boost::program_options: 上記で紹介したように、複雑なオプションの解析に適しています。
  • docopt: シンプルなコマンドラインインターフェースの定義に特化しており、直感的な構文でオプションを定義できます。
  • CLI11: C++11以降の機能をフルに活用し、現代的なコマンドラインインターフェースを構築するためのライブラリです。

プラットフォーム固有の機能

  • Windows: GetCommandLine()関数やCommandLineToArgvW関数を使用して、コマンドライン引数を取得できます。
  • Linux: getopt()関数やgetopt_long()関数を使用して、POSIX形式のオプションを解析できます。

独自のパース

  • argvを自分で解析し、必要な情報を抽出することも可能です。
  • 柔軟性が高いですが、実装が複雑になる可能性があります。

各方法の比較と選択


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