GNU Makefile 変数代入の代替方法

2024-10-05

GNU Makefile 変数代入の解説

GNU Makefile で変数を代入する際に、=?=:=+= の4つの演算子を使用することができます。それぞれに異なる挙動があるため、適切な演算子を選択することが重要です。

=

  • 意味: 通常の代入演算子。
  • 挙動: 変数の値を指定された文字列に設定します。
  • 注意点:
    • 変数が参照される前に定義される必要があります。
    • 参照される前に定義されていない場合、エラーが発生します。
    • 後続の変数の値に影響を与える可能性があります。

?=

  • 挙動: 変数が未定義の場合にのみ、指定された文字列を代入します。
  • 注意点:
    • 変数が既に定義されている場合は、その値を変更しません。
    • 他の変数の値に影響を与えません。

:=

  • 挙動: 変数の値を指定された文字列に設定し、その値を即座に評価します。
  • 注意点:
    • 変数の値は、その後の変数の評価に影響を与える可能性があります。

+=

  • 注意点:
    • 変数が既に定義されている必要があります。

VAR = value1

VAR ?= value2

VAR := value3

VAR += value4

この例では、以下のようになります。

  • VAR は最初に value1 に設定されます。
  • VAR ?= は、VAR が既に定義されているため、何も変更しません。
  • VAR := は、VARvalue3 に設定し、その値を即座に評価します。
  • VAR += は、VARvalue4 を追加し、value3value4 になります。



VAR = value1
  • VARvalue1 を代入します。
VAR ?= value2
  • VAR が未定義の場合は、VARvalue2 を代入します。
VAR := value3
  • VARvalue3 を代入し、その値を即座に評価します。
  • VAR が既に定義されている場合、その値を上書きします。
VAR += value4
  • VAR が既に定義されている場合、VAR の値に value4 を追加します。
  • VAR が未定義の場合は、エラーが発生します。

複数の演算子を使用した例

VAR = value1

VAR ?= value2

VAR := value3

VAR += value4

ifeq ($(VAR),value3value4)
    $(info VAR is equal to value3value4)
endif
  • この例では、VARvalue1 を代入した後、?=value2 を代入しようとしていますが、VAR が既に定義されているため、何も変更されません。
  • ifeq を使用して、VAR の値が value3value4 と等しいかどうかを確認しています。



make コマンドの define ディレクティブ

define ディレクティブを使用することで、複数の行にわたる変数の定義が可能になります。

define VAR
value1
value2
endef

この例では、VAR 変数に複数の行の文字列が定義されます。

シェルスクリプトの $(shell) 関数

$(shell) 関数を使用して、シェルコマンドを実行し、その出力を変数に代入することができます。

VAR := $(shell echo "value1")

この例では、echo "value1" コマンドを実行し、その出力を VAR 変数に代入します。

組み込み関数

GNU Makefile には、さまざまな組み込み関数が提供されています。これらの関数を組み合わせて、変数を定義することもできます。

VAR := $(subst a, b, value)

この例では、subst 関数を使用して、value 文字列中の ab に置換し、その結果を VAR 変数に代入します。

パターンルール

パターンルールを使用して、変数の値をファイルの内容から取得することもできます。

VAR := $(wildcard *.txt)

この例では、現在のディレクトリ内のすべての .txt ファイル名を VAR 変数に代入します。


makefile gnu-make

makefile gnu make