Gitでのブランチ間の変更の選択的マージやピックについて (日本語)
Gitでは、他のブランチから特定の変更を選択的にマージしたり、ピックしたりすることができます。これにより、複数のブランチを効率的に統合し、開発プロセスを柔軟に管理することができます。
git merge
git mergeコマンドは、2つのブランチをマージする際に最も一般的な方法です。通常、現在のブランチと指定したブランチをマージし、両方の変更を統合します。
git merge <branch-name>
選択的マージを行うには、マージの際にコンフリクトが発生した場合、手動でコンフリクトを解決する必要があります。コンフリクトを解決した後、git addとgit commitでマージを完了します。
git cherry-pick
git cherry-pickコマンドは、特定のコミットを現在のブランチに適用する際に便利です。これにより、他のブランチから特定の変更を選択的に取り込むことができます。
git cherry-pick <commit-hash>
複数コミットを一度にピックするには、コミットハッシュをスペースで区切って指定します。
git cherry-pick <commit-hash1> <commit-hash2> <commit-hash3>
コンフリクトが発生した場合は、同様に手動で解決する必要があります。
- git rebase: 現在のブランチを別のブランチにリベースすることで、変更を再適用し、よりクリーンな履歴を作成することができます。
- git subtree: サブモジュールのような機能を提供し、他のリポジトリから特定のディレクトリやファイルをマージすることができます。
Gitでの選択的マージとピックの例 (日本語)
シナリオ:
- ブランチ
feature-A
とfeature-B
があり、両方に変更が加えられている。 feature-A
の変更の一部だけを現在のブランチmain
にマージしたい。
手順:
main
ブランチに切り替える:git checkout main
feature-A
の特定のコミットをマージする:git merge --no-ff -m "Merge specific commit from feature-A" <commit-hash>
--no-ff
オプションは、マージをファストフォワードではなくマージコミットとして作成します。<commit-hash>
は、マージしたいコミットのハッシュです。
コンフリクトが発生した場合、手動で解決する:
git add <conflicted-file> git commit -m "Resolve merge conflicts"
- ブランチ
feature-C
があり、その中の特定のコミットを現在のブランチmain
に適用したい。
特定のコミットをピックする:
git cherry-pick <commit-hash>
git rebase:
git rebase --onto main feature-A
- 現在のブランチ
feature-A
をmain
ブランチにリベースします。
- 現在のブランチ
git subtree:
git subtree merge --prefix=path/to/subtree feature-B
feature-B
ブランチの特定のディレクトリを現在のブランチのpath/to/subtree
にマージします。
git rebase <target-branch>
特定のコミットをスキップするには、--skip
オプションを使用します。
git rebase --skip <target-branch>
git rebase --edit <target-branch>
git subtreeは、他のリポジトリから特定のディレクトリやファイルをマージする際に便利です。選択的マージの代替として使用できます。
git subtree add --prefix=path/to/subtree <remote> <branch>
マージするには、git subtree merge
を使用します。
git subtree merge --prefix=path/to/subtree <branch>
git cherry-pickと他のコマンドを組み合わせて、より複雑な操作を実現することができます。例えば、複数のコミットを一度にピックして、特定のコミットをスキップしたり、編集したりすることができます。
注意点
- rebaseは、履歴を書き換えるため、慎重に使用してください。特に公開されたブランチでrebaseを行う場合は、他の開発者と調整が必要です。
- subtreeは、サブモジュールのような機能を提供しますが、管理が複雑になる場合があります。
- cherry-pickと他のコマンドを組み合わせる際には、操作を慎重に計画し、コンフリクトを適切に解決してください。
git git-merge git-cherry-pick