Android画面回転時のActivity再起動に関するコード例解説

Androidにおける画面回転時のActivity再起動について

Androidでは、デバイスの画面が回転すると、デフォルトではActivityが再起動されます。これは、画面の向きが変わった際に、アプリが適切にレイアウトやリソースを調整するためです。

理由

• レイアウト調整: 画面の向きが変わることで、UI要素の配置やサイズが適切でない場合があるため、再起動してレイアウトを再描画します。
• リソース変更: 縦向きと横向きで異なるリソース（画像、レイアウトファイルなど）を使用する場合、再起動して適切なリソースを読み込みます。

再起動の防止

再起動はユーザーエクスペリエンスに影響を与える可能性があるため、必要に応じて防止することができます。以下は、再起動を防止する方法の例です。

android:screenOrientation属性を使用

• Activityの AndroidManifest.xml ファイルで android:screenOrientation 属性を設定することで、画面の向きを固定することができます。

  <activity android:name=".MainActivity"
            android:screenOrientation="portrait">
  </activity>
  

Activityの onSaveInstanceState() と onRestoreInstanceState() をオーバーライド

• onSaveInstanceState() で状態を保存し、onRestoreInstanceState() で復元することで、再起動時の状態を維持することができます。

  @Override
  protected void onSaveInstanceState(Bundle outState) {
      super.onSaveInstanceState(outState);
      // 保存したい状態をoutStateに保存
  }
  
  @Override
  protected void onRestoreInstanceState(Bundle savedInstanceState) {
      super.onRestoreInstanceState(savedInstanceState);
      // savedInstanceState   から状態を復元
  }
  

考慮事項

• ユーザーエクスペリエンス: 再起動を防止する場合は、画面回転時にユーザーエクスペリエンスが低下しないように注意が必要です。
• リソース管理: リソースの切り替えが必要な場合は、適切なタイミングでリソースを読み込みます。
• パフォーマンス: 再起動を防止する方法は、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。適切な方法を選択してください。

Android画面回転時のActivity再起動に関するコード例解説

android:configChanges 属性を使用した再起動防止

<activity android:name=".MainActivity"
          android:configChanges="orientation|screenSize">
</activity>

• orientation: 画面の向き変更
• screenSize: 画面サイズ変更

解説: この属性を設定することで、指定された設定変更が発生してもActivityが再起動されずに、onConfigurationChanged() メソッドが呼び出されます。このメソッド内で、画面回転に対応した処理を実装します。

onSaveInstanceState() と onRestoreInstanceState() を使用した状態の保存・復元

@Override
protected void onSaveInstanceState(Bundle outState) {
    super.onSaveInstanceState(outState);
    outState.putString("my_key   ", "my_value"); // 状態を保存
}

@Override
protected void onRestoreInstanceState(Bundle savedInstanceState) {
    super.onRestoreInstanceState(savedInstanceState   );
    String myValue = savedInstanceState.getString("my_key"); // 状態を復元
}

解説:

• onSaveInstanceState(): Activityが破棄される前に呼び出され、状態をBundleオブジェクトに保存します。
• onRestoreInstanceState(): Activityが再生成された際に呼び出され、保存された状態を復元します。
• 注意: 画面回転によるActivityの再生成は、メモリ不足など他の要因による再生成とは異なるため、onSaveInstanceState() と onRestoreInstanceState() で保存・復元する内容は、画面回転に対応した状態に限るようにしましょう。

onConfigurationChanged() メソッドの実装

@Override
public void onConfigurationChanged(Configuration newConfig) {
    super.onConfigurationChanged(newConfig);
    if (newConfig.orientation == Configura   tion.ORIENTATION_LANDSCAPE) {
        // 横向きになったときの処理
    } else if (newConfig.orientation == Configuration.ORIENTATION_PORTRAIT) {
        // 縦向きになったときの処理
    }
}

解説: このメソッドは、android:configChanges 属性を設定した場合に、設定変更が発生した際に呼び出されます。newConfig パラメータから新しい設定情報を取得し、それに応じた処理を実装します。

ViewModel の利用 (より複雑な状態管理の場合)

ViewModel を使用することで、画面回転時にも状態が保持され、UIとロジックを分離することができます。

class MyViewModel : ViewModel() {
    // LiveData や StateFlow などの状態管理用オブジェクト
}

解説: ViewModel はライフサイクルを意識せず、状態を保持できるため、画面回転時にも状態が失われることなく、UIを更新することができます。

• android:configChanges: 画面回転時にActivityが再起動されないように設定します。
• onConfigurationChanged(): 画面回転などの設定変更が発生した際に呼び出されます。
• ViewModel: より複雑な状態管理を行う場合に有効です。

どの方法を選ぶべきか

• シンプルな状態管理: onSaveInstanceState() と onRestoreInstanceState() で十分な場合が多いです。
• 複雑な状態管理: ViewModel を利用することで、より柔軟な状態管理が可能になります。
• パフォーマンス: android:configChanges を設定することで、パフォーマンスが向上する場合があります。

• Fragment: Fragment を使用することで、より柔軟なUI設計が可能になります。
• ライブラリ: 画面回転に対応したライブラリを利用することも可能です。

注意:

• 画面回転時の処理は、アプリの複雑さや要件によって実装が異なります。
• 各方法のメリット・デメリットを考慮し、適切な方法を選択してください。

キーワード: Android, 画面回転, Activity再起動, onSaveInstanceState, onRestoreInstanceState, onConfigurationChanged, ViewModel, configChanges

• 上記のコード例は、基本的な例であり、実際のアプリでは、より複雑な処理が必要になる場合があります。
• 特に、ViewModel を利用する場合には、LiveData や StateFlow などの状態管理ライブラリとの連携が必要になります。

Fragment の利用

• メリット:
  • Activity よりも粒度の細かい UI コンポーネントであるため、画面回転時の一部の Fragment だけを再生成することができます。
  • Activity のライフサイクルとは独立して Fragment のライフサイクルを管理できるため、より柔軟な UI 設計が可能です。
• デメリット:
• コード例:

class MyActivity : AppCompatActivity() {
    override fun onCreate(savedInstanceState: Bundle?) {
        super.onCreate(savedInstanceState)
        setConten   tView(R.layout.activity_my)

        // Fr   agment のトランザクションで Fragment を追加
        supportFragmentManager.beginTransaction()
            .add(R.id.fragment_container, MyFragment())
            .commit()
    }
}

カスタム View の利用

• メリット:
  • UI の一部をカスタム View として作成することで、より細かい制御が可能になります。
  • 画面回転時にもカスタム View の状態を保持することができます。
• デメリット:

class MyCustomView : View {
    // カスタム View のロジックを実装
    // ...

    override fun onMeasure(widthMeasureSpec: Int, heightMeasureSpec: Int) {
        // 画面サイズに合わせて View のサイズを計算
        // ...
    }

    // ...
}

ライブラリの利用

• メリット:
  • 画面回転時の状態管理を簡素化できます。
  • 様々な機能が提供されているライブラリもあります。
• デメリット:
  • 外部ライブラリに依存するため、学習コストがかかる場合があります。
  • ライブラリのバージョンアップに伴い、コードを変更する必要がある場合があります。
• 例:
  • Moshik: 画面回転時の状態管理を簡素化するライブラリ
  • SavedStateHandle: ViewModel で状態を保存する際に便利なクラス

Jetpack Compose

• メリット:
  • デクララティブなUI作成が可能で、状態管理が容易になります。
  • 画面回転時の状態の保持が自然に行われます。
• デメリット:

@Composable
fun MyScreen() {
    var count by remember { mutableStateOf(0) }
    // ...
}

• UI の複雑さ:
  • 複雑な UI: Fragment, カスタム View, Jetpack Compose
• 開発期間:
  • 短期間で開発したい: ライブラリ
  • 長期的なメンテナンス性を重視: カスタム View, Jetpack Compose

Android の画面回転時の Activity 再起動に関する代替手法は、様々なものが存在します。どの方法を選ぶかは、アプリの要件や開発者のスキルによって異なります。

重要なポイント:

• 状態の保存: 画面回転時にも失われずに保持したい状態を適切に保存する
• UI の更新: 画面回転後に UI を適切に更新する
• パフォーマンス: 画面回転時のパフォーマンスに注意する

• 上記以外にも、様々な手法が存在します。