JavaにおけるHashMapの直接初期化のコード解説

JavaにおけるHashMapの直接初期化について

Javaにおいて、HashMapはキーと値のペアを格納するコレクションです。直接初期化とは、HashMapオブジェクトを作成する際に、同時に要素を追加する方法です。

直接初期化の方法

匿名クラスを用いた方法 (Java 8以前)

Map<String, Integer> map = new HashMap<String, Integer>() {{
    put("apple", 1);
    put("banana", 2);
    put("orange", 3);
}};

• new HashMap<String, Integer>() で空のHashMapを作成し、その後に {{ ... }} 内で put メソッドを使って要素を追加します。
• 比較的簡潔ですが、匿名クラスを使用するため、理解しづらい面があります。

Java 9以降の Map.of メソッド

Map<String, Integer> map = Map.of("apple", 1, "banana", 2, "orange", 3);

• キーと値のペアを直接指定できます。
• ImmutableなMapが返されるため、変更不可です。

Map<String, Integer> map = Map.ofEntries(
    SimpleEntry.of("apple", 1),
    SimpleEntry.of("banana", 2),
    SimpleEntry.of("orange", 3)
);

• Map.of と同様にキーと値のペアを指定しますが、可変個の SimpleEntry オブジェクトを受け取ります。

注意点

• 上記の方法では、重複するキーは許されません。
• Map.of や Map.ofEntries で作成されたMapはImmutableであるため、変更できません。

Javaでは、HashMapを直接初期化する方法がいくつかあります。Java 9以降では Map.of や Map.ofEntries が簡潔で便利な方法ですが、ImmutableなMapが返されることに注意が必要です。

• dictionary は日本語で「辞書」ですが、プログラミングの文脈では「連想配列」や「マップ」に相当します。
• collections は「コレクション」で、複数の要素を扱うデータ構造の総称です。

Map<String, Integer> map = new HashMap<String, Integer>() {{
    put("apple", 1);
    put("banana", 2);
    put("orange", 3);
}};

• Map<String, Integer> map: キーがString型、値がInteger型のMapインターフェースを実装する変数 map を宣言します。
• new HashMap<String, Integer>(): HashMapクラスのインスタンスを生成します。
• {{ ... }}: 匿名クラスのブロックです。この中で、HashMapのインスタンスに対してメソッドを呼び出すことができます。
• put("apple", 1): キー "apple" と値 1 のペアをHashMapに追加します。
• put("banana", 2): キー "banana" と値 2 のペアを追加します。

Map<String, Integer> map = Map.of("apple", 1, "banana", 2, "orange", 3);

• Map.of("apple", 1, "banana", 2, "orange", 3): Map クラスの静的メソッド of を使用して、キーと値のペアを直接指定してImmutableなMapを作成します。

Map<String, Integer> map = Map.ofEntries(
    SimpleEntry.of("apple", 1),
    SimpleEntry.of("banana", 2),
    SimpleEntry.of("orange", 3)
);

• Map.ofEntries(...): Map クラスの静的メソッド ofEntries を使用して、可変個の SimpleEntry オブジェクトを受け取り、Mapを作成します。
• SimpleEntry.of("apple", 1): SimpleEntry クラスの静的メソッド of を使用して、キーと値のペアを表す SimpleEntry オブジェクトを作成します。

• 匿名クラスを用いた方法は、Java 8以前から使用可能ですが、可読性がやや劣ります。
• Map.of メソッドは、簡潔で読みやすいですが、作成されるMapはImmutableです。
• Map.ofEntries メソッドは、Map.of と同様に簡潔で、可変個の SimpleEntry オブジェクトを受け取ることができます。

HashMapの直接初期化の代替方法

これまで、JavaにおけるHashMapの直接初期化の主な方法として、匿名クラス、Map.of、Map.ofEntries を紹介しました。しかし、これ以外にもHashMapを初期化する方法は存在します。

代替方法

Stream APIを利用した方法

Java 8以降、Stream APIを利用してHashMapを初期化することができます。

Map<String, Integer> map = Stream.of(
    new SimpleEntry<>("apple", 1),
    new SimpleEntry<>("banana", 2),
    new SimpleEntry<>("orange", 3)
)
.collect(Collectors.toMap(SimpleEntry::getKey, SimpleEntry::getValue));

• Stream.of() で SimpleEntry オブジェクトのStreamを作成します。
• collect(Collectors.toMap(...)) でStreamをHashMapに変換します。

ループを用いた方法

最も基本的な方法ですが、冗長になることがあります。

Map<String, Integer> map = new HashMap<>();
map.put("apple", 1);
map.put("banana", 2);
map.put("orange", 3);

• 空のHashMapを作成し、ループや繰り返し文を使って要素を追加します。

HashMapの直接初期化には、さまざまな方法が存在します。Stream APIを利用した方法は、可読性が高く、関数型プログラミングのスタイルに適しています。しかし、パフォーマンス面では、ループを用いた方法の方が優れている場合もあります。

選択する方法は、コードの可読性、パフォーマンス、およびプロジェクトのコーディングスタイルによって異なります。

重要なポイント

• Stream APIを利用する場合、重複するキーが存在すると例外が発生します。
• ループを用いた方法は、最も柔軟ですが、冗長になりがちです。