C++ struct のパディングを理解してメモリを効率的に使用しよう

2024-07-27

C++ の struct における sizeof 演算子の挙動

アライメントとは？

アライメントとは、データがメモリ上でどのように配置されるかを制御するものです。多くの CPU は、特定のデータ型に対して特定のアライメント要件を持っています。例えば、int 型は 4 バイト境界に配置される必要があるかもしれません。

パディングとは？

パディングとは、構造体のメンバー間に挿入される空白のことです。コンパイラは、構造体のメンバーが適切に配置されるようにするためにパディングを追加します。

例

以下の例を見てみましょう。

struct MyStruct {
  int a;
  char b;
};

int 型は 4 バイト、char 型は 1 バイトです。なので、MyStruct 型のサイズは 5 バイトになるように思えるかもしれません。しかし、実際には 8 バイトになります。

これは、int 型は 4 バイト境界に配置される必要があるためです。そのため、コンパイラは b メンバーの後に 3 バイトのパディングを追加します。

struct MyStruct {
  int a; // 4 バイト
  char b; // 1 バイト
  // パディング 3 バイト
};

C++ の struct における sizeof 演算子の挙動は、アライメントによって影響を受けます。構造体のサイズが各メンバーのサイズの合計と一致しない場合は、パディングが追加されていることを考慮する必要があります。

コンパイラによって、アライメント要件が異なる場合があります。
#pragma pack ディレクティブを使用して、アライメント要件を明示的に指定することができます。
構造体のメンバーの配置順序を変えることで、パディングを減らすことができます。

#include <iostream>

struct MyStruct {
  int a;
  char b;
};

int main() {
  std::cout << "sizeof(MyStruct) = " << sizeof(MyStruct) << std::endl;

  return 0;
}

このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

sizeof(MyStruct) = 8

これは、MyStruct 型のサイズが 8 バイトであることを示しています。

#include <iostream>

#pragma pack(1)

struct MyStruct {
  int a;
  char b;
};

int main() {
  std::cout << "sizeof(MyStruct) = " << sizeof(MyStruct) << std::endl;

  return 0;
}

sizeof(MyStruct) = 5

これは、#pragma pack(1) ディレクティブによって、構造体のメンバーが 1 バイト境界に配置されるように指定しているためです。

std::size() 関数

C++17 以降では、std::size() 関数を使用して構造体のサイズを取得することができます。

#include <iostream>
#include <type_traits>

struct MyStruct {
  int a;
  char b;
};

int main() {
  std::cout << "sizeof(MyStruct) = " << std::size(MyStruct{}) << std::endl;

  return 0;
}

sizeof(MyStruct) = 8

std::size() 関数は、sizeof 演算子と同様に、構造体のサイズを取得することができます。

std::tuple_size() 関数

C++11 以降では、std::tuple_size() 関数を使用して、std::tuple 型のサイズを取得することができます。

#include <iostream>
#include <tuple>

int main() {
  std::cout << "sizeof(std::tuple<int, char>) = " << std::tuple_size<std::tuple<int, char>>::value << std::endl;

  return 0;
}

sizeof(std::tuple<int, char>) = 2

std::tuple_size() 関数は、std::tuple 型の要素数を取得することができます。

手動で計算

構造体のメンバーのサイズが分かっている場合は、手動で計算することができます。

struct MyStruct {
  int a; // 4 バイト
  char b; // 1 バイト
};

int main() {
  std::cout << "sizeof(MyStruct) = " << (sizeof(int) + sizeof(char)) << std::endl;

  return 0;
}