PHP エラー表示の設定とコード例

2024-08-17

PHP エラーを表示する方法

PHP のエラーを表示するには、主に次の方法があります。

  • php.ini ファイルの編集: サーバー全体の設定を変更します。
  • .htaccess ファイルの編集: ディレクトリ単位の設定を変更します。
  • PHP スクリプト内の関数使用: 個別のスクリプトでの設定を変更します。

詳細説明

php.ini ファイルの編集

php.ini ファイルは PHP の全体的な設定を行うファイルです。このファイルで display_errors オプションを On に設定すると、すべてのエラーがブラウザに表示されます。

display_errors = On

注意: プロダクション環境ではセキュリティ上の理由から display_errorsOff に設定することを推奨します。

.htaccess ファイルの編集

.htaccess ファイルは Apache サーバーでディレクトリ単位の設定を行うファイルです。このファイルに以下のようなコードを追加することで、そのディレクトリ内の PHP スクリプトでエラーを表示できます。

php_flag display_errors on

PHP スクリプト内での設定変更

PHP スクリプト内で error_reportingini_set 関数を使うことで、エラー表示の設定を変更できます。

<?php
error_reporting(E_ALL);
ini_set('display_errors', 1);
?>

この方法では、スクリプト単位でエラー表示を制御できますが、php.ini や .htaccess での設定よりも優先されます。

エラーの種類

PHP のエラーにはさまざまな種類があります。代表的なものとして、構文エラー、警告、通知などがあります。エラーの種類によって、表示される情報や対処方法が異なります。

  • 構文エラー: プログラムの書き方に誤りがある場合に発生します。通常、スクリプトの実行が停止します。
  • 警告: プログラムの実行は続行されますが、問題が発生している可能性があることを示します。
  • 通知: 一般的に問題ではないが、注意が必要な場合に発生します。

注意事項

  • エラー表示の設定は開発環境でのみ有効にしてください。プロダクション環境ではセキュリティ上の理由からエラーを表示しないようにしてください。
  • エラーログファイルを確認することで、エラーの詳細な情報を取得できます。
  • エラーメッセージを適切に処理することで、ユーザーフレンドリーなエラーメッセージを表示することができます。

注意: 実際の環境やプロジェクトに応じて、適切な方法を選択し、エラー処理を適切に行うことが重要です。

  • 日本語環境によっては、php.ini のパスやファイル名が異なる場合があります。
  • サーバーの設定や PHP のバージョンによって、使える方法やオプションが異なる場合があります。
  • エラー処理には、エラーの種類に応じた適切な対処が必要であり、単純にエラーを表示するだけでなく、エラーをログに記録したり、ユーザーに分かりやすいメッセージを表示したりすることが重要です。



PHP エラー表示の設定とコード例

; php.ini ファイル内
display_errors = On
error_reporting = E_ALL
  • display_errors = On: エラーメッセージをブラウザに表示します。
  • error_reporting = E_ALL: 全てのエラーを表示します。
<IfModule mod_php.c>
php_flag display_errors on
</IfModule>
  • ディレクトリ単位でエラー表示を有効にします。
<?php
error_reporting(E_ALL);
ini_set('display_errors', 1);
?>
  • スクリプト内でエラー表示を有効にします。

エラーレベルの設定

<?php
error_reporting(E_ERROR | E_WARNING | E_PARSE);
  • 指定したエラーレベルのみを表示します。
  • E_ERROR: 致命的エラー
  • E_WARNING: 非致命的エラー
  • E_PARSE: パースエラー

エラーハンドリング

<?php
function customError($errno, $errstr, $errfile, $errline) {
  echo "<b>Error:</b> $errstr in $errfile on line $errline";
}

set_error_handler("customError");

// エラーが発生するコード
?>
  • カスタムエラーハンドラを作成し、エラーが発生した際に呼び出します。

注意点

  • プロダクション環境ではエラー表示をオフにする: セキュリティ上の理由から、本番環境ではエラーを表示しないようにしてください。
  • エラーログを利用: エラーログファイルを確認することで、詳細なエラー情報を取得できます。
  • 適切なエラー処理: エラーが発生した場合に適切な処理を行い、ユーザーに分かりやすいメッセージを表示することが重要です。

例:

<?php
// エラーを発生させるコード
$x = 10;
echo $y; // 未定義の変数

// エラーハンドリング
function myErrorHandler($errno, $errstr, $errfile, $errline) {
  if (!(error_reporting() & $errno)) {
    // エラー報告レベルが設定されていない場合は無視する
    return;
  }

  echo "<b>Error:</b> [$errno] $errstr in $errfile on line $errline";
}

set_error_handler("myErrorHandler");
?>

この例では、カスタムエラーハンドラを作成し、エラーが発生した場合にエラーメッセージを表示します。




エラーログの確認

  • 最も一般的な方法
  • エラーメッセージは通常、サーバーのエラーログファイルに記録されます。
  • ログファイルの場所はサーバー環境によって異なりますが、一般的な場所は /var/log/apache2/error.log/var/log/httpd/error_log です。
  • ログファイルを確認することで、発生したエラーの詳細な情報を得ることができます。

デバッグツール

  • 開発環境での利用がおすすめ
  • ブラウザの開発者ツールや専用のデバッグツールを使用することで、エラーや警告を確認できます。
  • これらのツールは、エラーメッセージだけでなく、リクエストヘッダ、レスポンスデータ、JavaScript のコンソールログなど、さまざまな情報を提供します。

カスタムエラーハンドラ

  • 柔軟なエラー処理
  • set_error_handler() 関数を使用して、独自のエラーハンドラを作成できます。
  • この関数により、エラーが発生した際に呼び出される関数を指定できます。
  • カスタムエラーハンドラ内で、エラー情報をログに記録したり、ユーザーに分かりやすいメッセージを表示したりすることができます。

例外処理

  • 特定のエラーの捕捉
  • try-catch ブロックを使用して、特定の例外を捕捉し、処理することができます。
  • 例外処理は主にアプリケーションのロジックエラーや外部システムとの連携エラーに対応します。

コードレビューとテスト

  • エラーの予防
  • コードを定期的にレビューし、潜在的なエラーを事前に発見します。
  • ユニットテストや統合テストを実施することで、コードの品質を向上させ、エラーの発生を抑えます。
  • プロダクション環境でのエラー表示は注意が必要: ユーザーにエラーの詳細を公開しないようにしてください。
  • エラーログのローテーション: エラーログファイルが大きくなりすぎないように、定期的にローテーションを設定してください。
  • カスタムエラーハンドラと例外処理のバランス: 適切なエラー処理方法を選択し、使い分けましょう。
  • デバッグツールの活用: 開発環境での効率的なデバッグに役立ちます。

PHP のエラー表示にはさまざまな方法がありますが、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。エラーログの確認、デバッグツール、カスタムエラーハンドラ、例外処理、コードレビューとテストを組み合わせることで、効果的なエラー管理を実現できます。


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