Spring テストでデータベースを汚染しない!@Transactional, @Rollback, JdbcTemplate を駆使した詳細ガイド
Spring テストで @Transactional なしに行った MariaDB データベースの変更をロールバックする方法
Spring テストにおいて、@Transactional
アノテーションを使用せずに MariaDB データベースに行った変更をロールバックする方法について説明します。
方法
主に以下の2つの方法があります。
@Transactional アノテーションと @Rollback アノテーションを組み合わせる
- テストメソッドに
@Transactional
アノテーションを付与します。 - ロールバックが必要な処理を含むブロックに
@Rollback
アノテーションを付与します。
@SpringBootTest
public class MyTest {
@Autowired
private MyRepository repository;
@Test
@Transactional
public void testRollback() {
// データベースを更新する処理
// ロールバックが必要な処理
repository.save(new MyEntity());
// 例外をスローして、ロールバックを強制する
throw new RuntimeException("Rollback!");
}
}
JdbcTemplate を使用する
JdbcTemplate
インスタンスを取得します。JdbcTemplate
のsetDataSource
メソッドを使用して、テスト対象のデータソースを設定します。- データベース操作を行う前に
startTransaction
メソッドを呼び出してトランザクションを開始します。 - ロールバックが必要な処理を実行します。
- 例外が発生した場合、またはロールバックが必要な場合は、
rollback
メソッドを呼び出してロールバックします。 - 処理が成功した場合は、
commit
メソッドを呼び出してコミットします。
@SpringBootTest
public class MyTest {
@Autowired
private DataSource dataSource;
@Test
public void testRollback() {
JdbcTemplate jdbcTemplate = new JdbcTemplate(dataSource);
// トランザクションを開始
jdbcTemplate.startTransaction();
try {
// データベースを更新する処理
// ロールバックが必要な処理
jdbcTemplate.update("INSERT INTO my_table (name) VALUES (?)", "test");
} catch (Exception e) {
// 例外が発生した場合はロールバック
jdbcTemplate.rollback();
throw e;
}
// 処理が成功した場合はコミット
jdbcTemplate.commit();
}
}
- 上記以外にも、Spring テスト専用のライブラリを使用してロールバックを行う方法もあります。
- テスト対象のデータベースが MariaDB 以外にも PostgreSQL や Oracle などの場合、使用する方法は多少異なる場合があります。
@SpringBootTest
public class MyTest {
@Autowired
private MyRepository repository;
@Test
@Transactional
public void testRollback() {
// データベースを更新する処理
repository.save(new MyEntity("test1"));
// ロールバックが必要な処理
repository.save(new MyEntity("test2")); // 例外をスローする処理を含む
// 例外をスローして、ロールバックを強制する
throw new RuntimeException("Rollback!");
}
}
説明
@SpringBootTest
アノテーションを使用して、Spring テストのコンテキストを初期化します。@Autowired
アノテーションを使用して、MyRepository
インターフェースのインスタンスを注入します。- テストメソッド内で、データベースを更新する処理を実行します。
repository.save(new MyEntity("test2"))
メソッドは、RuntimeException
をスローする処理を含むため、ロールバックが必要となります。throw new RuntimeException("Rollback!");
ステートメントは、意図的に例外をスローし、トランザクションのロールバックを強制します。
実行結果
上記コードを実行すると、データベースへの変更はロールバックされ、以下のメッセージが出力されます。
java.lang.RuntimeException: Rollback!
@SpringBootTest
public class MyTest {
@Autowired
private DataSource dataSource;
@Test
public void testRollback() {
JdbcTemplate jdbcTemplate = new JdbcTemplate(dataSource);
// トランザクションを開始
jdbcTemplate.startTransaction();
try {
// データベースを更新する処理
jdbcTemplate.update("INSERT INTO my_table (name) VALUES (?)", "test1");
// ロールバックが必要な処理
jdbcTemplate.update("INSERT INTO my_table (name, value) VALUES (?, ?)", "test2", 1); // 例外をスローする処理を含む
} catch (Exception e) {
// 例外が発生した場合はロールバック
jdbcTemplate.rollback();
throw e;
}
// 処理が成功した場合はコミット
jdbcTemplate.commit();
}
}
JdbcTemplate
インスタンスを作成し、データソースを設定します。jdbcTemplate.update("INSERT INTO my_table (name, value) VALUES (?, ?)", "test2", 1)
ステートメントは、SQLException
をスローする処理を含むため、ロールバックが必要となります。try-catch
ブロックを使用して、例外処理を行います。- 例外が発生した場合、
jdbcTemplate.rollback()
メソッドを呼び出して、トランザクションをロールバックします。
java.sql.SQLException: ...
- テスト対象のデータベースや使用する Spring Framework のバージョンによって、コードが異なる場合があります。
DbUnit
は、データベースのテストを容易にするためのライブラリです。DbUnit
を使用すると、テスト前にデータベースのスナップショットを作成し、テスト後にそのスナップショットに復元することで、データベースの変更をロールバックすることができます。
Liquibase を使用する
Liquibase
は、データベースのスキーマを管理するためのツールです。Liquibase
を使用すると、テスト前にデータベースのスキーマを特定の状態にロールバックすることができます。
手動で SQL を実行する
テストメソッド内で、データベースをロールバックする SQL ステートメントを直接実行することもできます。ただし、この方法は煩雑でエラーが発生しやすいため、他の方法が推奨されます。
テスト専用のデータベースを使用する
各テストケースごとに専用のデータベースを使用することで、データベースの変更をテストケース間で干渉させることなくロールバックすることができます。
それぞれの方法の比較
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
@Transactional アノテーションと @Rollback アノテーションを組み合わせる | シンプルでわかりやすい | テスト対象のメソッドが @Transactional でない場合に使用できない |
JdbcTemplate を使用する | 柔軟性が高い | やや複雑 |
DbUnit を使用する | データベースのスナップショットを簡単に作成および復元できる | DbUnit ライブラリの追加インストールが必要 |
Liquibase を使用する | データベースのスキーマ管理に役立つ | Liquibase ツールの追加インストールが必要 |
手動で SQL を実行する | シンプル | 煩雑でエラーが発生しやすい |
テスト専用のデータベースを使用する | テストケース間の干渉を防ぎやすい | テスト専用のデータベースを準備する必要がある |
java spring junit