サンプルコード

2024-09-05

Rustとserdeにおける「Using Box to optimise memory allocation of optional, known length arrays」の解説

Rustにおける配列は、スタックまたはヒープに割り当てられます。スタック割り当ては高速ですが、サイズが固定されています。一方、ヒープ割り当てはサイズを動的に変更できますが、オーバーヘッドが発生します。

オプション型の配列の場合、要素が存在しない可能性があるため、メモリ割り当てが複雑になります。スタック割り当てを使用すると、要素が存在しない場合でも、常に固定量のメモリが割り当てられます。一方、ヒープ割り当てを使用すると、要素が存在しない場合はメモリを節約できますが、要素の追加や削除時にオーバーヘッドが発生します。

Box型は、ヒープ上のデータを安全に管理するためのスマートポインタです。Box型を使用してオプション型の配列を格納すると、要素が存在しない場合はメモリを節約できます。また、serdeライブラリを使用すると、Box型を含むデータ構造をシリアル化およびデシリアル化できます。

メリット

  • メモリ使用量の削減
  • パフォーマンスの向上
  • コードの簡潔化
  • コードの複雑さの増加
  • 潜在的なメモリリーク

使用例

use serde::{Deserialize, Serialize};

#[derive(Serialize, Deserialize)]
struct MyStruct {
    data: Option<Box<[u8]>>,
}

fn main() {
    let mut my_struct = MyStruct { data: None };

    // データを追加
    my_struct.data = Some(Box::new([1, 2, 3]));

    // データをシリアル化
    let serialized_data = serde_json::to_string(&my_struct).unwrap();

    // データをデシリアル化
    let deserialized_struct: MyStruct = serde_json::from_str(&serialized_data).unwrap();

    // データを削除
    my_struct.data = None;
}



use serde::{Deserialize, Serialize};

#[derive(Serialize, Deserialize)]
struct MyStruct {
    data: Option<Box<[u8]>>,
}

fn main() {
    // データの初期化
    let mut my_struct = MyStruct { data: None };

    // データの追加
    my_struct.data = Some(Box::new([1, 2, 3]));

    // データの確認
    if let Some(ref data) = my_struct.data {
        println!("データ: {:?}", data);
    } else {
        println!("データが存在しません");
    }

    // データのシリアル化
    let serialized_data = serde_json::to_string(&my_struct).unwrap();

    // データのデシリアル化
    let deserialized_struct: MyStruct = serde_json::from_str(&serialized_data).unwrap();

    // データの削除
    my_struct.data = None;
}

main関数では、まずMyStruct型の変数を初期化します。その後、dataフィールドにBox::new([1, 2, 3])という値を代入します。これは、3つの要素を持つ[u8]型の配列をヒープに割り当て、そのポインタをBox型でラップしたものです。

次に、if文を使用して、dataフィールドがSome型かどうかを確認します。Some型の場合、dataフィールドの内容を出力します。None型の場合、「データが存在しません」と出力します。

その後、serde_jsonライブラリを使用して、MyStruct型の変数をJSON形式にシリアル化します。シリアル化されたデータは、serialized_dataという変数に格納されます。

次に、serde_jsonライブラリを使用して、シリアル化されたデータをデシリアル化します。デシリアル化されたデータは、deserialized_structという変数に格納されます。




他の方法

Vec::with_capacity

Vec::with_capacity メソッドを使用して、事前に配列の容量を指定することができます。これにより、要素を追加する際のメモリ割り当てのオーバーヘッドを削減できます。

let mut data = Vec::with_capacity(3);

data.push(1);
data.push(2);
data.push(3);

Slab allocator

Slab allocatorは、メモリを小さなチャンクに分割して管理するメモリ割り当てアルゴリズムです。これは、小さなオブジェクトを多数割り当てる場合に効率的です。

Rustには、slab crateなど、Slab allocatorを実装するライブラリがいくつかあります。

jemalloc

jemallocは、高速で効率的なメモリ割り当てライブラリです。Rustでは、jemalloc crateを使用してjemallocを統合することができます。

jemallocは、Box型よりも効率的にメモリを割り当てることができる場合があり、特に大規模なデータ構造を扱う場合に役立ちます。

どの方法を選択するか

どの方法を選択するかは、具体的な状況によって異なります。

  • 小さな配列を扱う場合は、Vec::with_capacity メソッドが最もシンプルで効率的な方法です。
  • 大量の小さなオブジェクトを割り当てる場合は、Slab allocatorを使用するとメモリ使用量を削減できます。
  • 大規模なデータ構造を扱う場合は、jemallocを使用するとパフォーマンスを向上させることができます。

rust serde

rust serde

Rustにおけるイテレータ操作:`tap()` vs. `for`ループ、`map()`、`filter()`、`fold()`

関数型プログラミングの観点から見ると、tap()は純粋な関数ではないため、副作用を持つ関数とみなされます。しかし、tap()はイテレータを直接変更しないため、イテレータの不変性を保つことができます。tap()は以下の形式で使用します。以下は、tap()を使用してイテレータ内の各要素の平方根を出力する例です。