Rで名前付きベクトル/リストの部分集合化:名前を使って部分集合を作成し、一致しないカテゴリを維持する方法(他の方法)
Rで名前付きベクトル/リストの部分集合化:名前を使って部分集合を作成し、一致しないカテゴリを維持する方法
問題の背景
Rでベクトルやリストを操作する際、特定の名前を持つ要素のみを含む部分集合を作成したい場合があります。例えば、以下のベクトル fruits
から、柑橘類のみを含む部分集合を作成したいとします。
fruits <- c("apple", "orange", "banana", "grape", "lemon")
単純に fruits[c("orange", "lemon")]
とすると、一致する要素のみを含む部分集合は作成できますが、元のベクトルのカテゴリ情報(この場合、「柑橘類」)は失われます。
解決策:subset 関数
この問題を解決するには、subset
関数を使用できます。subset
関数は、ベクトルやリストを論理式に基づいて部分集合化する関数です。
citrus_fruits <- subset(fruits, grepl("citrus", names(fruits)))
このコードは、fruits
ベクトルの名前(names(fruits)
)が "citrus" という文字列を含むもののみを含む部分集合 citrus_fruits
を作成します。
subset 関数の詳細
subset
関数は、以下の引数を指定できます。
x
: 部分集合化したいベクトル/リストsubset
: 論理式。部分集合に含める要素を指定します。select
: 部分集合に含める列/要素を指定します。drop
: 論理値。デフォルトはFALSE
で、一致しないカテゴリは削除されます。TRUE
に設定すると、一致しないカテゴリも保持されます。
例:一致しないカテゴリを維持する
drop
引数を TRUE
に設定すると、一致しないカテゴリも保持できます。
all_fruits <- subset(fruits, drop = TRUE)
このコードは、fruits
ベクトルのすべての要素を含む部分集合 all_fruits
を作成します。
subset
関数は、名前付きベクトル/リストの部分集合を作成する際に非常に便利な関数です。名前を使って部分集合を作成し、一致しないカテゴリを維持したい場合は、drop
引数を TRUE
に設定することを忘れないでください。
subset
関数は、データフレームの部分集合化にも使用できます。
データ
fruits <- c("apple", "orange", "banana", "grape", "lemon", "mango")
categories <- c("apple", "citrus", "banana", "grape", "citrus", "mango")
部分集合化
# 柑橘類のみを含む部分集合
citrus_fruits <- subset(fruits, categories == "citrus")
# 一致しないカテゴリを維持した部分集合
all_fruits <- subset(fruits, drop = TRUE)
# 名前を使って部分集合
named_fruits <- subset(fruits, names(fruits) %in% c("apple", "orange"))
出力
> citrus_fruits
[1] "orange" "lemon"
> all_fruits
[[1]]
[1] "apple"
[[2]]
[1] "orange"
[[3]]
[1] "banana"
[[4]]
[1] "grape"
[[5]]
[1] "lemon"
[[6]]
[1] "mango"
> named_fruits
[1] "apple" "orange"
%in% 演算子
citrus_fruits <- fruits[names(fruits) %in% c("orange", "lemon")]
match 関数
match
関数は、ベクトル中の要素の最初の出現位置を返します。
citrus_fruits <- fruits[match(c("orange", "lemon"), names(fruits))]
sapply 関数
sapply
関数は、ベクトル/リストの各要素に任意の関数を適用し、結果をベクトル/リストとして返します。
citrus_fruits <- sapply(names(fruits), function(x) x %in% c("orange", "lemon"))
fruits[citrus_fruits]
subset
関数以外にも、名前を使って部分集合を作成し、一致しないカテゴリを維持する方法があります。どの方法を使用するかは、状況によって異なります。
- 上記の方法は、データフレームにも適用できます。
r