C言語: 文字列処理の基本 - 定数文字ポインタと安全なポインタの返し方

2024-07-27

C言語で定数文字ポインタを引数に取る場合の文字ポインタの返し方

ポインタの指す先を書き換えない

定数文字ポインタは、文字列リテラルを指しています。文字列リテラルはプログラムメモリに格納されており、書き換えることはできません。そのため、関数内でポインタの指す先を変更しようとすると、コンパイルエラーが発生します。

const char *str = "Hello, world!";

void print_str(const char *str) {
  // str[0] = 'A'; // エラー: ポインタの指す先を変更しようとしている
  printf("%s\n", str);
}

int main() {
  print_str(str);
  return 0;
}

ポインタの有効性を保証する

関数内でポインタの指す先を書き換えなくても、関数から返した後、ポインタが有効であるとは限りません。関数が終了すると、ローカル変数はスタックから解放されます。そのため、ローカル変数のポインタを返すと、ポインタがdangling pointer(宙ぶらりんポインタ)になる可能性があります。

const char *get_str() {
  char str[] = "Hello, world!"; // ローカル変数
  return str; // dangling pointerになる可能性がある
}

int main() {
  const char *str = get_str();
  printf("%s\n", str); // 未定義の動作
  return 0;
}

安全な方法で文字ポインタを返す

定数文字ポインタを引数に取る関数で、文字ポインタを安全に返すには、以下の方法があります。

  • ポインタをコピーして返す:
const char *get_str() {
  static const char str[] = "Hello, world!"; // 静的変数
  return str; // 常に有効なポインタを返す
}

int main() {
  const char *str = get_str();
  printf("%s\n", str);
  return 0;
}
  • 文字列リテラルを直接返す:
const char *get_str() {
  return "Hello, world!"; // 文字列リテラルは常に有効
}

int main() {
  const char *str = get_str();
  printf("%s\n", str);
  return 0;
}
  • ポインタの所有権を明示的に伝える:
const char *get_str(const char **out_str) {
  *out_str = "Hello, world!"; // out_strがポインタの所有権を持つ
  return "Hello, world!"; // 関数内でポインタを解放しても問題ない
}

int main() {
  const char *str;
  get_str(&str);
  printf("%s\n", str);
  return 0;
}

これらの方法を用いることで、定数文字ポインタを引数に取る関数で、安全に文字ポインタを返すことができます。

C言語で定数文字ポインタを引数に取る関数で、文字ポインタを返す場合、以下の点に注意する必要があります。




#include <stdio.h>

const char *get_str() {
  static const char str[] = "Hello, world!"; // 静的変数
  return str; // 常に有効なポインタを返す
}

int main() {
  const char *str = get_str();
  printf("%s\n", str);
  return 0;
}

このコードでは、get_str() 関数は静的変数 str を指すポインタを返します。静的変数はプログラム終了まで有効なので、返されたポインタは常に有効です。

#include <stdio.h>

const char *get_str() {
  return "Hello, world!"; // 文字列リテラルは常に有効
}

int main() {
  const char *str = get_str();
  printf("%s\n", str);
  return 0;
}

このコードでは、get_str() 関数は文字列リテラルを直接返します。文字列リテラルはプログラムメモリに格納されており、プログラム終了まで有効なので、返されたポインタは常に有効です。

#include <stdio.h>

const char *get_str(const char **out_str) {
  *out_str = "Hello, world!"; // out_strがポインタの所有権を持つ
  return "Hello, world!"; // 関数内でポインタを解放しても問題ない
}

int main() {
  const char *str;
  get_str(&str);
  printf("%s\n", str);
  return 0;
}



構造体を使う

#include <stdio.h>

typedef struct {
  const char *str;
  size_t len;
} str_t;

str_t get_str() {
  return (str_t){"Hello, world!", 13};
}

int main() {
  str_t str = get_str();
  printf("%s\n", str.str);
  return 0;
}

マクロを使う

#include <stdio.h>

#define GET_STR() "Hello, world!"

int main() {
  const char *str = GET_STR();
  printf("%s\n", str);
  return 0;
}

このコードでは、マクロ GET_STR を使って文字列リテラルを返しています。

これらの方法は、状況に応じて使い分けることができます。


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