【インターフェース設計の落とし穴】Getter/Setterの直接定義はNG?~代替手段とベストプラクティス

2024-07-27

インターフェースにおける Getter と Setter の使用可能性

インターフェース定義において、Getter と Setter メソッドを直接定義することはできません。しかし、いくつかの方法で疑似的に実装することは可能です。

理由

インターフェースは、オブジェクトの振る舞いを定義するものであり、状態を定義するものではありません。そのため、フィールドやそのアクセサーメソッド(Getter/Setter)を直接含めることは設計原則に反します。

代替手段

以下の方法で、インターフェースで Getter/Setter のような機能を実現できます。

  • 抽象メソッド: 状態の取得・設定を操作として定義し、具体的な実装は実装クラスに任せる。
    • 例:String getName()void setName(String name)
  • プロパティ: 一部の言語では、プロパティを使用して、フィールドへのアクセスを制御できます。
    • 例:val name: String(Kotlin)
  • アノテーション: アノテーションを使用して、コンパイラに Getter/Setter メソッドを自動生成させる。
    • 例:@Data(Lombok)

考慮すべき点

  • 抽象度: インターフェースはできるだけ抽象度を高く保ち、具体的な実装は実装クラスに委ねるように設計することが重要です。
  • 依存関係: 多くの Getter/Setter を定義すると、インターフェースが肥大化し、依存関係が複雑になる可能性があります。
  • ロジックカプセル化: Getter/Setter 内部で複雑なロジックを記述すると、カプセル化が損なわれる可能性があります。



// インターフェース定義
interface Person {
  String getName();
  void setName(String name);
}

// 実装クラス
class Student implements Person {
  private String name;

  @Override
  public String getName() {
    return name;
  }

  @Override
  public void setName(String name) {
    this.name = name;
  }
}

// 利用例
Student student = new Student();
student.setName("Alice");
System.out.println(student.getName()); // "Alice" と出力

ポイント

  • インターフェースにはフィールドを直接宣言できないことに注意してください。
  • 抽象メソッドを使用して、状態の取得・設定を操作として定義します。
  • 具体的な実装は実装クラスに任せます。



一部のプログラミング言語では、プロパティを使用して、フィールドへのアクセスを制御できます。プロパティは、Getter/Setter メソッドを自動的に生成する機能を持つ場合があり、簡潔なコードでインターフェースを定義することができます。

例:Kotlin

interface Person {
  val name: String // プロパティ
}

class Student : Person {
  override val name: String = "Alice" // プロパティの初期化
}

この例では、Personインターフェースに nameというプロパティを定義しています。プロパティは、Getter/Setter メソッドを自動的に生成するため、明示的に定義する必要はありません。

アノテーション(Annotation)

アノテーションを使用して、コンパイラに Getter/Setter メソッドを自動生成させることもできます。これは、特に Lombok などのライブラリを使用する場合に有効です。

例:Lombok

@Data
interface Person {
  String name;
}

class Student implements Person {
  // フィールドの宣言のみ
}

この例では、@Dataアノテーションを使用して、Personインターフェースのフィールドに対して Getter/Setter メソッドを自動生成しています。

ラムダ式(Lambda Expression)

ラムダ式を使用して、抽象メソッドの具体的な実装を定義することもできます。これは、より簡潔で柔軟なコードを記述したい場合に有効です。

例:Java 8 以降

interface Person {
  String getName() -> String;
  void setName(String name);
}

class Student implements Person {
  @Override
  public String getName() {
    return "Alice";
  }

  @Override
  public void setName(String name) {
    // ...
  }
}

この例では、Personインターフェースの getName()メソッドをラムダ式で定義しています。

カスタムアノテーション(Custom Annotation)

独自の Getter/Setter メソッド生成ロジックを定義したい場合は、カスタムアノテーションを作成することができます。これは、より高度な制御が必要な場合に有効です。

例:Spring Data JPA

@Entity
public class Person {

  @Id
  @GeneratedValue(strategy = GenerationType.IDENTITY)
  private Long id;

  @Column(nullable = false)
  private String name;

  // ...

  // Getter/Setter メソッドは Lombok で自動生成
}

この例では、Spring Data JPA の @Entityアノテーションを使用して、Personクラスをエンティティとして定義しています。@Columnアノテーションを使用して、フィールドのマッピングを定義し、Lombok で Getter/Setter メソッドを自動生成しています。

注意点

これらの方法は、状況に応じて使い分けることが重要です。

  • プロパティ: シンプルなインターフェース定義に適しています。
  • アノテーション: コードを簡潔にすることができますが、ライブラリへの依存が発生します。
  • ラムダ式: 柔軟なコードを記述できますが、Java 8 以降のバージョンが必要となります。
  • カスタムアノテーション: 高度な制御が必要な場合に適していますが、複雑なコードになる可能性があります。

interface get set

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