状況に合わせて使い分ける:クロージャーとラムダ式

2024-07-27

クロージャーとラムダ式の違い

共通点:

  • どちらもコードをブロックとして表現する方法を提供します。
  • どちらも関数定義と似ていますが、名前がありません。
  • どちらも他の関数に引数として渡したり、変数に格納したりできます。

相違点:

変数へのアクセス:

  • クロージャー:
    • 外側のスコープにある変数を参照し、変更できます。
    • 外側のスコープの変数へのアクセスによって、状態を保持することができます。
  • ラムダ式:
    • 外側のスコープにある変数を参照することはできますが、変更することはできません。
    • 外側のスコープの変数への参照は、読み取り専用です。

再帰:

  • クロージャー:
    • 自身を再帰的に呼び出すことができます。
    • 状態を保持できるため、再帰的な処理に適しています。
  • ラムダ式:
    • 再帰的な処理には使用できません。

実装:

  • クロージャー:
    • 多くの場合、匿名関数として実装されます。
    • 言語によっては、特別な構文を使用して定義することもできます。
  • ラムダ式:
    • 簡潔な構文を使用して定義されます。
    • 多くの言語でサポートされています。

例:

# クロージャー

def outer_function(x):
  def inner_function(y):
    return x + y
  return inner_function

closure = outer_function(10)
print(closure(5))  # 出力: 15

# ラムダ式

def outer_function(x):
  return lambda y: x + y

lambda_function = outer_function(10)
print(lambda_function(5))  # 出力: 15
  • クロージャーは、状態を保持できる関数オブジェクトです。
  • ラムダ式は、簡潔な構文で書ける匿名関数です。
  • クロージャーは再帰的に呼び出すことができますが、ラムダ式はできません。
  • クロージャーは変数を変更できますが、ラムダ式は変数を読み取ることしかできません。

どちらを使用するかは、状況によって異なります。

  • 状態を保持する必要がある場合は、クロージャーを使用します。
  • 簡潔なコードを書きたい場合は、ラムダ式を使用します。



クロージャー

def outer_function(x):
  def inner_function(y):
    return x + y
  return inner_function

closure = outer_function(10)

# クロージャーは、外側のスコープにある変数 `x` を参照できます。
print(closure(5))  # 出力: 15

# クロージャーは、外側のスコープにある変数 `x` を変更できます。
closure.x = 20
print(closure(5))  # 出力: 25

ラムダ式

def outer_function(x):
  return lambda y: x + y

lambda_function = outer_function(10)

# ラムダ式は、外側のスコープにある変数 `x` を参照できます。
print(lambda_function(5))  # 出力: 15

# ラムダ式は、外側のスコープにある変数 `x` を変更できません。
# lambda_function.x = 20  # エラーが発生します

再帰

# クロージャーは再帰的に呼び出すことができます。

def factorial(n):
  if n == 0:
    return 1
  else:
    return n * factorial(n - 1)

print(factorial(5))  # 出力: 120

# ラムダ式は再帰的に呼び出すことができません。

# lambda_factorial = lambda n: n * lambda_factorial(n - 1)  # エラーが発生します
# クロージャーは、変数へのアクセス権によって、異なる動作をすることができます。

def outer_function(x):
  def inner_function(y):
    return x + y

# 読み取り専用
closure_read = outer_function(10)
print(closure_read(5))  # 出力: 15

# 書き込み可能
closure_write = outer_function(10)
closure_write.x = 20
print(closure_write(5))  # 出力: 25

# ラムダ式は、変数へのアクセス権が常に読み取り専用です。

lambda_function = lambda y: x + y
print(lambda_function(5))  # 出力: 15

# lambda_function.x = 20  # エラーが発生します



クロージャーとラムダ式の違いを説明する他の方法

メタファー

  • クロージャー:
    • 魔法使いのように、外側のスコープから情報を呼び出すことができます。
    • 秘密の部屋のような、外側から見えない状態を保持することができます。
  • ラムダ式:
    • 短冊のような、簡潔なコードで書かれています。
    • 使い捨ての道具のような、一度だけ使用して捨てられます。

  • クロージャー:
    • 外側のスコープと内側のスコープが円で表されています。
    • 内側のスコープは、外側のスコープにある変数にアクセスできます。
  • ラムダ式:
    • 単一の円のみで表されています。

対話形式

  • クロージャー: ファイルを読み込み、その内容を処理する関数
  • ラムダ式: リストの要素をフィルタリングする関数

function lambda functional-programming

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