日本語で解説する「Naming Classes - How to avoid calling everything a "<WhatEver>Manager"」
プログラミングにおけるデザインパターン、OOP、および命名規約の観点から、クラスの命名に関する問題と解決策を日本語で解説します。
問題: 「<WhatEver>Manager」の過剰使用
多くのプログラマーは、クラスの命名に「Manager」という単語を過度に使用します。これは、クラスが何らかの管理や制御を行うと想定されるためです。しかし、この命名法はしばしば誤解を招き、クラスの実際の役割を明確に表現できないことがあります。
解決策: より具体的な命名法を採用する
- クラスの目的を反映する: クラスの具体的な機能や役割を反映する名前を選びます。
- 例: 「UserManager」よりも「UserDatabase」や「UserAuthenticator」の方が明確です。
- 動詞を避ける: クラスの名前は名詞であることが望ましいです。動詞を使うと、クラスがアクションを実行するのではなく、アクションを実行するためのオブジェクトであることが示唆されます。
- 例: 「CalculateTotal」よりも「TotalCalculator」の方が適切です。
- ドメイン固有の用語を使う: 対象のドメイン(分野)に特有の用語を使用することで、クラスの役割をより正確に伝えます。
- 例: 「OrderProcessor」よりも「SalesOrderFulfillmentService」の方が具体的な意味を持ちます。
- 階層的な命名法: 複雑なシステムでは、階層的な命名法を用いてクラスの関係性を表現することができます。
- 例: 「CustomerOrderManager」よりも「Order.CustomerOrder」の方が階層構造を明確にします。
具体的な例:
不良な命名:
CustomerDataManager
FileIOHandler
ProcessPayment
改善された命名:
CustomerRepository
FileSystemService
PaymentProcessor
クラス命名の改善方法: 日本語でのコード例
以下は、クラス命名の改善方法を日本語で解説し、具体的なコード例を提供します。
クラスの目的を反映する命名
public class UserManager {
// ...
}
public class UserDatabase {
// ...
}
動詞を避ける
public class CalculateTotal {
// ...
}
public class TotalCalculator {
// ...
}
ドメイン固有の用語を使う
public class OrderProcessor {
// ...
}
public class SalesOrderFulfillmentService {
// ...
}
階層的な命名法
public class CustomerOrderManager {
// ...
}
public class Order {
public class CustomerOrder {
// ...
}
}
役割を明確にする接頭辞を使用する
- Repository: データの永続化や取得を行うクラス
- Service: ビジネスロジックを実装するクラス
- Factory: オブジェクトの生成を行うクラス
- Builder: オブジェクトの構築を段階的に行うクラス
例:
public class UserRepository {
// ...
}
public class OrderService {
// ...
}
public class UserFactory {
// ...
}
複合名詞を使用する
- クラスの役割を複数の単語で表現する
- 読みやすさと理解しやすさを向上させる
public class CustomerOrderProcessor {
// ...
}
public class EmailNotificationSender {
// ...
}
具体的な動詞を使用する
- クラスの具体的なアクションを表現する
public class ValidateUserCredentials {
// ...
}
public class CalculateTotalAmount {
// ...
}
命名規約に従う
- プロジェクトやチームで統一された命名規約を遵守する
- コードの統一性と可読性を向上させる
- CamelCase (例:
myVariableName
) - PascalCase (例:
MyClassName
)
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