「time(1)」の出力における「real」、「user」、「sys」の意味を日本語で解説
**「time(1)」**は、Unix系のオペレーティングシステムでコマンドの実行時間を計測するコマンドです。その出力には、「real」、「user」、「sys」という3つの項目が表示されます。それぞれの意味は以下の通りです。
- real: 実際の経過時間。コマンドの開始から終了までの総時間です。
- user: ユーザーモードでのCPU時間。コマンドがユーザーのプログラムを実行するためにCPUを使用していた時間です。
- sys: システムモードでのCPU時間。コマンドがカーネルなどのシステム機能を使用するためにCPUを使用していた時間です。
具体的な例
たとえば、以下のようなコマンドを実行した場合:
time sleep 5
出力は、おおよそ次のような形式になります:
real 0m5.016s
user 0m0.000s
sys 0m0.004s
この例では、
- real: 5秒ほど経過しました。
- user:
sleep
コマンドはユーザーモードでほとんど動作せず、CPU時間はほとんど使用していません。 - sys:
sleep
コマンドはシステムモードでわずかな時間動作しました。
ベンチマークにおける活用
「time(1)」は、プログラムの性能をベンチマークする際に頻繁に使用されます。特に、プログラムがCPUをどれだけ消費しているか、システムコールをどれだけ呼び出しているかなどを調べるために役立ちます。
注意:
- 「real」時間は、システムの負荷や他のプロセスとの競合の影響を受けることがあります。
- 「user」と「sys」の時間の合計は、「real」時間よりも小さくなることがあります。これは、プログラムがI/O操作やネットワーク通信などの非CPUバウンドな作業を行っているためです。
time sleep 5
real 0m5.016s
user 0m0.000s
sys 0m0.004s
time sleep 5
real 0m5.016s
user 0m0.000s
sys 0m0.004s
「time(1)」の代替方法
「time(1)」の代替方法として、以下のような手法が挙げられます。
プログラミング言語の組み込み関数
多くのプログラミング言語には、実行時間を計測するための組み込み関数やライブラリが提供されています。例えば、Pythonでは time.time()
関数を使用できます。
import time
start_time = time.time()
# ここに計測したい処理を記述
end_time = time.time()
elapsed_time = end_time - start_time
print("Elapsed time:", elapsed_time)
プロファイリングツール
プロファイリングツールは、プログラムの実行中の挙動を詳細に分析するためのツールです。これらの中には、実行時間を計測する機能も備えています。例えば、Pythonでは cProfile
モジュールを使用できます。
import cProfile
cProfile.run('my_function()')
オペレーティングシステムの機能
一部のオペレーティングシステムは、システムコールやコマンドラインオプションを使用して実行時間を計測する機能を提供しています。例えば、Linuxでは perf
コマンドを使用できます。
perf record -e cycles my_program
perf report
unix time benchmarking