データセットの壁を突破!PyTorchによるバッチサンプル並列化でデータ処理速度を大幅に向上
PyTorchでバッチサンプルごとにトレーニングループを並列化する
前提条件
- Python 3.6以上
- PyTorch 1.8以上
- NumPy
PyTorchのデフォルトのデータローダーは、マルチスレッド処理を使用してバッチサンプルを事前に読み込みます。しかし、CPUのみで実行している場合、これはパフォーマンスのボトルネックになる可能性があります。
このチュートリアルでは、torch.multiprocessing
モジュールを使用して、バッチサンプルごとにトレーニングループを並列化する方法を紹介します。これにより、CPUのみの環境でもパフォーマンスを向上させることができます。
コード
import torch
import torch.multiprocessing as mp
import numpy as np
def train_worker(queue, batch_size):
while True:
# キューからバッチを取得
batch = queue.get()
# バッチの処理
# ...
# 損失を計算
# ...
# 勾配を計算
# ...
# パラメータを更新
# ...
def main():
# データセットを準備
dataset = ...
# バッチサイズ
batch_size = ...
# キューを作成
queue = mp.Queue()
# ワーカープロセスを起動
workers = [mp.Process(target=train_worker, args=(queue, batch_size)) for _ in range(num_workers)]
for worker in workers:
worker.start()
# データローダーを作成
dataloader = ...
# トレーニングループ
for epoch in range(num_epochs):
for batch in dataloader:
# バッチをキューに追加
queue.put(batch)
# ワーカープロセスが完了するのを待つ
for worker in workers:
worker.join()
if __name__ == "__main__":
main()
説明
train_worker
関数は、キューからバッチを取得し、処理します。main
関数は、データセット、バッチサイズ、キュー、ワーカープロセスを準備します。- データローダーを使用して、データセットをバッチに分割します。
- トレーニングループでは、バッチをキューに追加し、ワーカープロセスが完了するのを待ちます。
利点
- CPUのみの環境でパフォーマンスを向上させることができます。
- バッチサイズを大きくすることで、GPUとのギャップをさらに縮小することができます。
欠点
- マルチプロセス処理は複雑になる可能性があります。
- デバッグが難しい場合があります。
このチュートリアルでは、CPUのみでPyTorchを使用してバッチサンプルごとにトレーニングループを並列化する方法について説明しました。この方法を使用することで、CPUのみの環境でもパフォーマンスを向上させることができます。
注意事項
- このチュートリアルは、PyTorch 1.8でテストされています。
- 他のバージョンのPyTorchでは、コードを修正する必要がある場合があります。
import torch
import torch.multiprocessing as mp
import numpy as np
def train_worker(queue, batch_size):
while True:
# キューからバッチを取得
batch = queue.get()
# バッチの処理
# 例:画像分類の場合
inputs, labels = batch
outputs = model(inputs)
loss = loss_fn(outputs, labels)
# 勾配を計算
optimizer.zero_grad()
loss.backward()
# パラメータを更新
optimizer.step()
def main():
# データセットを準備
dataset = mnist.MNIST('data', train=True, download=True)
# バッチサイズ
batch_size = 64
# キューを作成
queue = mp.Queue()
# ワーカープロセスを起動
num_workers = 4
workers = [mp.Process(target=train_worker, args=(queue, batch_size)) for _ in range(num_workers)]
for worker in workers:
worker.start()
# データローダーを作成
dataloader = torch.utils.data.DataLoader(dataset, batch_size=batch_size, shuffle=True)
# トレーニングループ
for epoch in range(10):
for batch in dataloader:
# バッチをキューに追加
queue.put(batch)
# ワーカープロセスが完了するのを待つ
for worker in workers:
worker.join()
if __name__ == "__main__":
main()
実行方法
python sample.py
改良点
- 損失関数とオプティマイザを適切なものに変更することで、他のタスクにも適用できます。
- データローダーのパラメータを変更することで、パフォーマンスを調整できます。
バッチサンプルごとにトレーニングループを並列化する他の方法
Horovod
Horovodは、分散学習のためのオープンソースフレームワークです。Horovodを使用すると、複数のGPUやCPUでトレーニングループを並列化することができます。
Ray
Rayは、分散実行のためのオープンソースフレームワークです。Rayを使用すると、複数のGPUやCPUでタスクを並列化することができます。
TensorFlow
TensorFlowは、機械学習のためのオープンソースフレームワークです。TensorFlowには、tf.data
APIを使用してデータパイプラインを並列化するための機能があります。
PySpark
PySparkは、Apache SparkのPython APIです。PySparkを使用すると、複数のノードでデータ処理を並列化することができます。
方法の比較
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
Horovod | 使いやすい | GPUのみのサポート |
Ray | 汎用性が高い | 複雑な設定が必要 |
TensorFlow | データパイプラインの並列化に特化 | CPUの並列化に制限がある |
PySpark | 複数のノードで実行可能 | 設定が複雑 |
どの方法を選択するべきか
どの方法を選択するかは、要件によって異なります。
- GPUのみで実行したい場合は、Horovodがおすすめです。
- 汎用性の高いフレームワークが必要場合は、Rayがおすすめです。
- データパイプラインの並列化に特化したい場合は、TensorFlowがおすすめです。
- 複数のノードで実行したい場合は、PySparkがおすすめです。
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