Bashスクリプトで引数を反復処理する例を詳しく解説します
Bashスクリプトで引数を反復処理する方法
Bashスクリプトでは、引数を反復処理するために、主に以下の方法が使用されます。
forループを使用する
最も一般的な方法は、for
ループを使用して、引数を順に処理することです。
#!/bin/bash
for arg in "$@"; do
echo "Argument: $arg"
done
"$@"
: すべての引数を配列として展開します。for arg in "$@"
:$@
の各要素をarg
変数に代入し、ループを繰り返します。
whileループとshiftコマンドを使用する
while
ループとshift
コマンドを組み合わせて、引数を逐次処理することもできます。
#!/bin/bash
while [[ $# -gt 0 ]]; do
echo "Argument: $1"
shift
done
[[ $# -gt 0 ]]
: 引数が残っているかどうかをチェックします。$1
: 現在処理中の引数を取得します。shift
: 引数を左にシフトして、次の引数を$1
にします。
$@を直接展開する
引数を直接展開して、個別に処理することもできます。
#!/bin/bash
echo "Argument 1: $1"
echo "Argument 2: $2"
# ...
ただし、引数の数が事前にわかっている場合にのみ有効です。
注意:
- ダブルクォーテーション:
"$@"
のようにダブルクォーテーションを使用することで、空白を含む引数も正しく処理されます。 $*
: すべての引数を単一の文字列として展開します。空白を含む引数を正しく処理できない場合があります。
Bashスクリプトで引数を反復処理する例を詳しく解説します
#!/bin/bash
for arg in "$@"; do
echo "引数: $arg"
done
for arg in "$@"
:for
ループは、指定されたリストの各要素に対して、繰り返し処理を行います。"$@"
は、スクリプトに渡されたすべての引数を、それぞれの単語を一つの要素とする配列として展開します。arg
は、各繰り返しで配列の要素(つまり、引数)を一つずつ格納する変数です。
echo "引数: $arg"
:- 現在の繰り返しで
arg
に格納されている引数を表示します。
- 現在の繰り返しで
このスクリプトを実行すると:
./script.sh apple banana cherry
のように実行すると、以下の出力が得られます。
引数: apple
引数: banana
引数: cherry
#!/bin/bash
while [[ $# -gt 0 ]]; do
echo "引数: $1"
shift
done
while [[ $# -gt 0 ]]; do
:while
ループは、条件が真である限り繰り返し処理を行います。$#
は、スクリプトに渡された引数の数を表します。
$1
は、最初の引数を表します。- 現在の繰り返しで処理中の引数を表示します。
shift
:
このスクリプトも、前の例と同様に実行すると、同じ出力が得られます。
#!/bin/bash
echo "最初の引数: $1"
echo "2番目の引数: $2"
# 以下、必要なだけ繰り返す
$1
,$2
, ...:
この方法は、引数の数が事前にわかっている場合に便利です。
for
ループ: 引数を順番に処理する際に便利です。while
ループとshift
コマンド: 引数の数を動的に判断しながら処理する際に便利です。$@
の直接展開: 引数の数が少ない場合や、特定の引数だけを処理したい場合に便利です。
どちらの方法を使うかは、スクリプトの目的や、引数の扱い方によって決まります。
重要な注意点
さらに詳しく知りたい場合は、以下のキーワードで検索してみてください。
- Bashスクリプト
- 引数処理
- forループ
- whileループ
- shiftコマンド
- $@
- $*
shiftコマンドの応用
複数の引数をグループ化して処理する場合:
#!/bin/bash
while [[ $# -gt 0 ]]; do
# 最初の2つの引数をグループとして扱う
first_arg="$1"
second_arg="$2"
echo "最初の2つの引数: $first_arg $second_arg"
shift 2
done
配列を使った処理
すべての引数を配列に格納し、インデックスを使ってアクセスする場合:
#!/bin/bash
args=("$@")
for ((i=0; i<${#args[@]}; i++)); do
echo "引数$((i+1)): ${args[i]}"
done
args=("$@")
で、すべての引数をargs
配列に格納します。for
ループで、配列の要素を順番に処理します。
readコマンドで対話的に入力
スクリプト実行時に、ユーザーに入力させる場合:
#!/bin/bash
while read -p "引力を入力してください: " arg; do
echo "入力された引数: $arg"
done
read
コマンドで、ユーザーから入力を受け取ります。-p
オプションで、プロンプトを表示します。
getoptコマンドを使ったオプション解析
オプションと引数を厳密に区別して処理する場合:
#!/bin/bash
# オプションの定義
options="a:b:"
longoptions="arg1:,arg2:"
# オプション解析
while getopts "$options" opt; do
case $opt in
a)
echo "-a オプション: $OPTARG"
;;
b)
echo "-b オプション: $OPTARG"
;;
\?)
echo "不正なオプション: -$OPTARG"
exit 1
;;
esac
done
# 残りの引数
shift $((OPTIND-1))
# 残りの引数を処理
for arg in "$@"; do
echo "残りの引数: $arg"
done
getopt
コマンドを使って、オプションと引数を解析します。OPTARG
変数に、オプションの引数が格納されます。
case文を使ったパターンマッチ
引数の値によって処理を分岐させる場合:
#!/bin/bash
for arg in "$@"; do
case "$arg" in
start)
echo "処理を開始します"
;;
stop)
echo "処理を停止します"
;;
*)
echo "不明な引数: $arg"
;;
esac
done
case
文で、引数の値によって処理を分岐させます。
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