Bashにおけるcat << EOFの解説

2024-08-21

  • cat << EOF は、Bashスクリプトにおいて、複数行の文字列をコマンドの標準入力として渡すための構文です。
  • EOF はデリミタであり、任意の文字列を使用できます。
  • EOFEOF の間のテキストが、コマンドの入力として扱われます。

詳細

  • catコマンド: ファイルの内容を表示するコマンドですが、この場合、標準入力から読み取ったデータをそのまま出力します。
  • << EOF: ここからEOFまでの間を、標準入力として扱うことを示します。
  • EOF: デリミタで、この行に到達すると、入力の終了を示します。

例:

cat << EOF
これは、
複数行の
文字列です。
EOF

上記のコードでは、catコマンドに標準入力として「これは、\n複数行の\n文字列です。」が渡され、そのまま出力されます。

活用例

  • 変数への代入:
    my_string=$(cat << EOF
    長い文字列を
    変数に格納します。
    EOF
    )
    
  • ファイルへの書き込み:
    cat << EOF > myfile.txt
    ファイルに書き込む
    内容です。
    EOF
    
  • コマンドへの入力:
    grep "パターン" << EOF
    検索対象の
    テキストです。
    EOF
    

注意

  • EOF の代わりに他の文字列を使用することもできますが、その文字列は入力中に使用できないことに注意してください。
  • インデントを保持したい場合は、<<- EOF のようにハイフンを追加します。
  • 複雑なスクリプトでは、可読性のためにインデントを使用することを推奨します。



例題コードの解説

コード例 1: 変数への代入

my_string=$(cat << EOF
これは、
複数行の
文字列です。
EOF
)
echo "$my_string"
  • cat << EOF で囲まれた文字列が標準入力として渡されます。
  • $(コマンド) の形式で、コマンドの実行結果が変数に代入されます。
  • my_string 変数に、複数行の文字列が格納されます。
  • echo "$my_string" で、変数の内容を出力します。

コード例 2: ファイルへの書き込み

cat << EOF > myfile.txt
これは、
ファイルに書き込まれる
文字列です。
EOF
  • > myfile.txt で、出力先を myfile.txt にリダイレクトします。
  • ファイル myfile.txt に、複数行の文字列が書き込まれます。

コード例 3: コマンドへの入力

grep "文字列" << EOF
これは、
検索対象の
テキストです。
EOF
  • grep "文字列" で、標準入力から「文字列」を検索します。
  • 検索結果が出力されます。

コード例 4: インデントの保持

cat <<- EOF
  これは、
  インデントを
  保持した文字列です。
EOF
  • <<- EOF の形式で、インデントが保持されます。
  • インデントされた文字列がそのまま出力されます。

コード例 5: エスケープシーケンスの使用

cat << EOF
これは、タブ\tと改行\nを含む文字列です。
EOF
  • \t はタブ、\n は改行を表すエスケープシーケンスです。
  • エスケープシーケンスが解釈されて出力されます。

コード例 6: デリミタの変更

cat << END
これは、
デリミタを
変更した例です。
END
  • EOF ではなく END をデリミタとして使用しています。
  • 同じように機能します。



cat << EOF の代替方法

cat << EOF は便利な構文ですが、他の方法でも同様のことができる場合があります。

Hereドキュメント (Here Document) の変数への代入

my_string="
これは、
複数行の
文字列です。
"
  • 直接変数に複数行の文字列を代入できます。
  • インデントに注意が必要な場合がありますが、シンプルで読みやすいです。

コマンド置換

my_string=$(echo -e "これは、\n複数行の\n文字列です。")
  • echo -e で改行コード (\n) を解釈して出力します。
  • コマンド置換 $(コマンド) で、出力結果を変数に代入します。

外部ファイルの使用

# ファイルの内容をmy_string変数に読み込む
my_string=$(cat myfile.txt)
  • 複数行の文字列を事前にファイルに保存しておきます。
  • cat コマンドでファイルの内容を読み込み、変数に代入します。

printfコマンド

printf "%s\n" "これは、" "複数行の" "文字列です。" > myfile.txt
  • printf コマンドでフォーマットされた文字列を出力できます。
  • リダイレクトでファイルに書き込むことも可能です。

シェルスクリプト内の関数

function my_function() {
  echo "これは、"
  echo "複数行の"
  echo "文字列です。"
}

my_string=$(my_function)
  • 関数内で複数行の文字列を出力し、コマンド置換で変数に代入します。

外部ツール (awk, sed, perlなど)

my_string=$(awk '{print $0}' myfile.txt)
  • awk などを使ってファイルから読み込んだり、文字列を加工して変数に代入できます。

選択基準

  • 文字列の長さや複雑さ
  • インデントの必要性
  • 可読性
  • 既存のファイルやツールの利用可能性
  • スクリプトの全体的な構造

linux bash scripting



Bash コマンドライン引数解析の代替方法と詳細解説

Bashスクリプトでは、スクリプト実行時に渡される引数をコマンドライン引数と呼びます。これらの引数を解析し、スクリプト内で適切に処理することが重要です。最も基本的な方法は、位置引数を使うことです。スクリプトの実行時に渡された引数は、変数 $1, $2, $3, ... に順に格納されます。...


日本語解説: シェルスクリプトでの Yes/No/Cancel 入力 (代替方法)

日本語解説:Linuxのシェルスクリプトでユーザーに Yes/No/Cancel の選択肢を提供し、その入力を受け取る方法はいくつかあります。ここでは、一般的な方法を解説します。read choice: ユーザーの入力を変数choiceに格納します。...


Bash で文字列に部分文字列が含まれるかチェックする

Bashスクリプトにおいて、ある文字列に特定の部分文字列が含まれるかどうかを判定する方法はいくつかあります。ここでは、最も一般的な方法をいくつか紹介します。最もシンプルで一般的な方法です。[[ ]]: 条件式を評価します。*: 任意の文字列とマッチするワイルドカードです。...


Bashスクリプトで引数を反復処理する例を詳しく解説します

Bashスクリプトでは、引数を反復処理するために、主に以下の方法が使用されます。最も一般的な方法は、forループを使用して、引数を順に処理することです。"$@": すべての引数を配列として展開します。for arg in "$@": $@の各要素をarg変数に代入し、ループを繰り返します。...


Bash 変数の空白トリミングのコード例解説

Bashスクリプトにおいて、変数に格納された文字列の先頭や末尾の空白文字(スペース、タブ、改行など)を除去することをトリミングといいます。主に以下の方法があります。trim コマンドは、一般的にインストールされていないため、事前にインストールする必要があります。...



linux bash scripting

Bashスクリプトでのディレクトリ存在チェックのコード解説

Bashスクリプトでディレクトリの存在を確認するには、主に次の方法が使用されます。testコマンド(または [ ] )-d オプションdirectory_path 変数にチェックしたいディレクトリのパスを指定します。test コマンドまたは [ ] を使用して、-d オプションとともにディレクトリパスの存在をチェックします。


Bashスクリプトの実行ディレクトリ取得:コード例解説

Bashスクリプト内で、そのスクリプトが置かれているディレクトリを取得する方法について説明します。主に以下の方法があります。$0 はスクリプト自身のパスを表します。dirname コマンドは、ファイルパスのディレクトリ部分のみを取り出します。


sudoで出力先を書き込み権限のない場所にリダイレクトする方法 (日本語)

手順:sudoコマンドの構文:sudo command > output_file sudo: スーパーユーザー権限でコマンドを実行します。command: 実行したいコマンドです。> output_file: 出力を指定したファイルにリダイレクトします。


macOSにおける環境変数設定の例とガイド

環境変数は、オペレーティングシステムやアプリケーションが実行時に使用する設定や情報を格納する変数です。これらの変数は、プログラムが実行される際に自動的に読み込まれ、プログラムの動作を制御することができます。macOSでは、環境変数を設定する方法はいくつかあります。


Bash での数値範囲の繰り返し: その他の方法

Bash で変数で定義された数値範囲を繰り返す方法はいくつかあります。最も一般的な方法は for ループと seq コマンドを利用することです。start と end には繰り返しの開始と終了の数値をそれぞれ設定します。for ((i=$start; i<=$end; i++)) は C スタイルの for ループで、i を start から end まで 1 ずつ増やしながら繰り返します。