iOS9 HTTP通信エラー解決
iOS9で発生する「Transport security has blocked a cleartext HTTP」エラーの解説
エラーの意味: iOS9以降、セキュリティ強化の一環として、デフォルトでHTTP通信がブロックされるようになりました。これは、通信データを暗号化しないHTTPプロトコルがセキュリティリスクを伴うためです。
原因: このエラーは、アプリがまだ暗号化されていないHTTP通信を試みている場合に発生します。
解決方法:
-
HTTPSの使用:
- アプリのネットワーク通信をHTTPSに変更してください。HTTPSは、通信データを暗号化するため、セキュリティが向上します。
- これは、アプリのコードでURLをHTTPSに変更するか、サーバー側でHTTPSをサポートするように設定する必要があります。
-
App Transport Security (ATS)の設定:
- Xcodeのプロジェクト設定でATSを有効にして、許可するネットワーク接続を指定できます。
- 以下のように設定できます:
- Allow Arbitrary Loads: このオプションを有効にすると、すべてのネットワーク接続を許可します。ただし、セキュリティリスクが高くなるため、慎重に使用してください。
- Exceptions: 特定のドメインやホスト名を指定して、例外としてHTTP通信を許可することができます。
コード例:
let url = URL(string: "https://example.com/api")!
let task = URLSession.shared.dataTask(with: url) { data, response, error in
// 処理
}
task.resume()
注意:
- ATSの設定は、アプリのセキュリティを高めるため、適切に使用してください。
- すべてのネットワーク通信をHTTPSに移行することが理想的です。
- サーバー側でもHTTPSをサポートしている必要があります。
let url = URL(string: "https://example.com/api")!
let task = URLSession.shared.dataTask(with: url) { data, response, error in
// 処理
}
task.resume()
- このコードでは、URLをHTTPSに変更しています。
- これで、アプリのネットワーク通信がHTTPSを使用し、セキュリティが強化されます。
<key>NSAppTransportSecurity</key>
<dict>
<key>NSExceptionDomains</key>
<dict>
<key>example.com</key>
<dict>
<key>NSIncludesSubdomains</key>
<true/>
<key>NSExceptionAllowsIns ecureHTTPLoads</key>
<true/>
</dict>
</dic t>
</key>
- NSAllowsArbitraryLoadsInWebViews: WebViewで任意のネットワークロードを許可します。ただし、セキュリティリスクが高くなるため、慎重に使用してください。
サーバー側の対策:
- HTTPSへの移行: サーバー側でHTTPSをサポートするように設定します。
- HSTS (HTTP Strict Transport Security)ヘッダ: サーバー側でHSTSヘッダを返すと、クライアントがHTTP通信をHTTPSにリダイレクトするようになります。
独自のネットワークスタックを使用:
- アプリ独自のネットワークスタックを実装することで、より柔軟な制御が可能になります。ただし、実装が複雑になります。
暫定的な解決策:
- デバッグモード: デバッグモードでは、ATSが有効になっていないことがあります。ただし、本番環境では使用しないでください。
- 古いiOSバージョン: 古いiOSバージョンでは、ATSがデフォルトで無効になっている場合があります。
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