【時系列データ分析の極意】PyTorch LSTMで`return_sequences = False`を活用して、隠れ状態を最大限に活用

2024-07-27

PyTorch LSTMにおけるreturn_sequences = False相当

PyTorchにおける同等の動作は、以下の方法で実現できます。

最終的な隠れ状態ベクトルのみを抽出

LSTMレイヤーの出力をテンソルとして取得し、最後の時間ステップの要素のみを抽出することで、最終的な隠れ状態ベクトルを取得できます。

import torch
import torch.nn as nn

# LSTMレイヤーの定義
lstm = nn.LSTM(input_size=input_dim, hidden_size=hidden_dim, num_layers=num_layers)

# 入力シーケンスをLSTMレイヤーに通す
outputs, _ = lstm(input_seq)

# 最終的な隠れ状態ベクトルを取得
last_hidden_state = outputs[-1]

viewとsqueezeを使って形状を変更

import torch
import torch.nn as nn

# LSTMレイヤーの定義
lstm = nn.LSTM(input_size=input_dim, hidden_size=hidden_dim, num_layers=num_layers)

# 入力シーケンスをLSTMレイヤーに通す
outputs, _ = lstm(input_seq)

# 最終的な隠れ状態ベクトルを取得
last_hidden_state = outputs.view(-1, hidden_dim).squeeze(0)

PackedSequenceを使う

入力シーケンスがPackedSequence形式の場合は、PackedSequencedata属性を使って最終的な隠れ状態ベクトルを取得できます。

import torch
import torch.nn.utils.rnn as rnn_utils

# 入力シーケンスをPackedSequenceに変換
packed_input_seq = rnn_utils.pack_padded_sequence(input_seq, lengths)

# LSTMレイヤーに通す
outputs, _ = lstm(packed_input_seq)

# 最終的な隠れ状態ベクトルを取得
last_hidden_state, _ = rnn_utils.pad_packed_sequence(outputs)

これらの方法のいずれかを用いることで、PyTorchにおけるreturn_sequences = False相当の動作を実現できます。

  • 上記の例では、単一のLSTMレイヤーを仮定していますが、複数層のLSTMレイヤーで構成されるモデルの場合でも同様に適用できます。
  • 最終的な隠れ状態ベクトルは、ダウンストリームのタスクで使用するために、全結合層などの別の層に入力されます。



import torch
import torch.nn as nn
import torch.nn.functional as F

# データの準備
input_seq = torch.randn(10, 32, 64)  # バッチサイズ、時間ステップ数、入力次元
lengths = torch.tensor([10, 8, 6])  # 各バッチにおける有効な時間ステップ数

# モデルの定義
class MyModel(nn.Module):
    def __init__(self):
        super().__init__()
        self.lstm = nn.LSTM(input_size=64, hidden_size=128, num_layers=2, batch_first=True)
        self.fc = nn.Linear(128, 10)

    def forward(self, input_seq, lengths):
        # PackedSequenceに変換
        packed_input_seq = nn.utils.rnn.pack_padded_sequence(input_seq, lengths, batch_first=True)

        # LSTMレイヤーに通す
        outputs, _ = self.lstm(packed_input_seq)

        # PackedSequenceをアンパック
        outputs, _ = nn.utils.rnn.pad_packed_sequence(outputs, batch_first=True)

        # 最終的な隠れ状態ベクトルを取得
        last_hidden_state = outputs[-1]

        # 全結合層に通す
        out = self.fc(last_hidden_state)

        # 出力層を通す
        out = F.logsoftmax(out, dim=1)
        return out

model = MyModel()

# モデルに入力して出力を取得
output = model(input_seq, lengths)
print(output)

このコードでは、以下の処理が行われます。

  1. ランダムなデータを作成します。
  2. MyModelクラスを定義します。このクラスは、2層のLSTMレイヤーと1つの全結合層で構成されています。
  3. forwardメソッドを定義します。このメソッドは、入力シーケンスと長さを受け取り、モデルの出力を返します。
  4. PackedSequenceに変換し、LSTMレイヤーに通します。
  5. PackedSequenceをアンパックし、最終的な隠れ状態ベクトルを取得します。
  6. 全結合層に通し、出力層を通します。
  7. モデルに入力し、出力を取得します。
  • このコードはあくまで一例であり、実際のタスクに合わせて変更する必要があります。
  • モデルの構造やハイパーパラメータは、タスクに合わせて調整する必要があります。
  • より複雑なモデルを構築したい場合は、他の種類の層や手法を組み込むこともできます。



import torch
import torch.nn as nn

# LSTMレイヤーの定義
lstm = nn.LSTM(input_size=input_dim, hidden_size=hidden_dim, num_layers=num_layers)

# 入力シーケンスをLSTMレイヤーに通す
outputs, _ = lstm(input_seq)

# 最終的な隠れ状態ベクトルを取得
last_hidden_state = outputs.view(-1, hidden_dim).index_select(0, lengths - 1)

この方法では、viewを使ってテンソルの形状を変更し、index_selectを使って最後の時間ステップの要素のみを抽出します。

LSTMCellを使う

import torch
import torch.nn as nn

# LSTMCellの定義
lstm_cell = nn.LSTMCell(input_size=input_dim, hidden_size=hidden_dim)

# 各時間ステップでLSTMセルを展開
hidden_state = torch.zeros(batch_size, hidden_dim)
cell_state = torch.zeros(batch_size, hidden_dim)

for i in range(input_seq.size(1)):
    hidden_state, cell_state = lstm_cell(input_seq[:, i], hidden_state, cell_state)

# 最終的な隠れ状態ベクトルを取得
last_hidden_state = hidden_state

この方法では、LSTMCellを使って各時間ステップでLSTMセルを展開し、最終的な隠れ状態ベクトルを取得します。

カスタムモジュールを使う

import torch
import torch.nn as nn

class MyLSTM(nn.Module):
    def __init__(self, input_size, hidden_size, num_layers):
        super().__init__()
        self.lstm_layers = nn.ModuleList([nn.LSTMCell(input_size=input_size, hidden_size=hidden_size) for _ in range(num_layers)])

    def forward(self, input_seq):
        hidden_state = torch.zeros(input_seq.size(0), self.lstm_layers[0].hidden_size)
        cell_state = torch.zeros(input_seq.size(0), self.lstm_layers[0].hidden_size)

        for layer in self.lstm_layers:
            hidden_state, cell_state = layer(input_seq, hidden_state, cell_state)

        return hidden_state

# MyLSTMモジュールの定義
lstm_module = MyLSTM(input_dim, hidden_dim, num_layers)

# モデルに入力して出力を取得
output = lstm_module(input_seq)
print(output)

この方法では、カスタムモジュールを使ってLSTMセルをラップし、forwardメソッドで各時間ステップを処理します。


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