C++ で文字列をデリミタで分割する (文字列パース)

2024-08-19

C++ では、文字列を指定した区切り文字 (デリミタ) で分割する機能は標準ライブラリに直接含まれていませんが、いくつかの方法で実現できます。ここでは、std::stringstreamstd::getline を使った一般的な手法を紹介します。

コード例

#include <iostream>
#include <string>
#include <sstream>
#include <vector>

std::vector<std::string> split(const std::string& s, char delim   ) {
    std::istringstream iss(s);
    std::string item;
    std::vector<std::string> elems;
    while (std::getline(iss, item, delim   )) {
        elems.push_back(item);
    }
    return elems;
}

int main() {
    std::string str = "apple,banana,orange";
    char delim = ',';

    std::vector<std::string> result = split(str, delim);

    for (const std::string& word : result) {
        std::cout << word << std::endl;
    }

    return 0;
}

コードの説明

  1. ヘッダファイルのインクルード: iostream, string, sstream, vector をインクルードします。
  2. split 関数の定義:
    • std::string 型の入力文字列 s と、char 型のデリミタ delim を受け取ります。
    • std::istringstream オブジェクト iss を作成し、入力文字列 s を渡します。
    • std::string 型の item と、std::vector<std::string> 型の elems を宣言します。
    • std::getline を使用して、iss からデリミタ delim までの一部分を item に読み込みます。
    • 読み込んだ itemelems ベクトルに追加します。
    • 最終的に elems ベクトルを返します。
  3. main 関数:
    • 分割する文字列 str とデリミタ delim を定義します。
    • split 関数を呼び出して分割結果を result ベクトルに格納します。
    • result ベクトルの内容を出力します。

解説

  • std::istringstream は文字列をストリームとして扱うためのクラスです。
  • std::getline はストリームから指定されたデリミタまでの一行を読み込みます。
  • std::vector は動的配列で、分割された文字列を格納するために使用されます。

注意点

  • このコードでは空のトークンをスキップしません。
  • より複雑な分割ロジックが必要な場合は、正規表現ライブラリなどを使用することもできます。

拡張

  • デリミタとして文字列を使用できるように拡張する。
  • 空のトークンの処理を追加する。
  • 大文字小文字を無視するオプションを追加する。



C++ での文字列分割 (パース) のコード解説

コード例 1: std::stringstreamstd::getline を使った分割

#include <iostream>
#include <string>
#include <sstream>
#include <vector>

std::vector<std::string> split(const std::string& s, char delim   ) {
    std::istringstream iss(s);
    std::string item;
    std::vector<std::string> elems;
    while (std::getline(iss, item, delim   )) {
        elems.push_back(item);
    }
    return elems;
}

int main() {
    std::string str = "apple,banana,orange";
    char delim = ',';

    std::vector<std::string> result = split(str, delim);

    for (const std::string& word : result) {
        std::cout << word << std::endl;
    }

    return 0;
}

コード解説

このコードは、入力文字列 str をデリミタ delim で分割し、結果を std::vector に格納する関数 split を定義しています。

  1. ヘッダファイルのインクルード:

    • iostream: 入出力ストリームのためのヘッダファイル
    • string: 文字列操作のためのヘッダファイル
    • vector: 動的配列のためのヘッダファイル
  2. split 関数の定義:

    • const std::string& s: 入力文字列の定数参照
    • char delim: デリミタ文字
    • std::istringstream iss(s): 入力文字列をストリームに変換
    • std::string item: 一時的な文字列バッファ
    • std::vector<std::string> elems: 分割された文字列を格納するベクトル
    • while (std::getline(iss, item, delim)): デリミタまでの一行を読み込み、item に格納
    • elems.push_back(item): 読み込んだ文字列を elems ベクトルに追加
    • return elems: 分割された文字列のベクトルを返す
  • boost::split (Boostライブラリを使用する場合)
  • 正規表現による分割 (より複雑なパターンマッチングが必要な場合)



C++ での文字列分割の代替方法

前回までの復習

前回は、std::stringstreamstd::getline を使った文字列分割の方法を解説しました。この方法は、標準ライブラリのみを使用し、比較的シンプルで読みやすいコードを書くことができます。

std::find と std::string::substr を使った方法

この方法は、文字列内のデリミタの位置を std::find で検索し、その位置から次のデリミタまでの部分文字列を std::string::substr で抽出します。

#include <iostream>
#include <string>
#include <vector>

std::vector<std::string> split(const std::string& s, char delim) {
    std::vector<std::string> elems;
    size   _t start = 0;
    size_t end = s.find(delim);

    while (end != std::string::npos) {
        elems.push_back(s.substr(start, end - start));
        start = en   d + 1;
        end = s.find(delim, start);
    }

    if (start != s.length()) {
        elems.push_back(s.substr(start));
    }

    return elems;
}

std::string::find_first_of と std::string::find_first_not_of を使った方法

この方法は、デリミタの最初の位置と次の非デリミタ文字の位置を検索し、その間の部分文字列を抽出します。

#include <iostream>
#include <string>
#include <vector>

std::vector<std::string> split(const std::string& s, char delim) {
    std::vector<std::string> elems;
    size_t pos = 0   ;

    while (pos < s.length()) {
        size_t next_delim = s.find_first_of(delim, pos);
        elems.push_back(s.substr(pos, next_delim - pos));
        pos = s.find_first_not_of(delim, next_delim);
    }

    return elems;
}

boost::split (Boostライブラリ)

Boostライブラリには、文字列分割のための boost::split 関数が提供されています。この関数は、より柔軟な分割オプションを提供します。

#include <iostream>
#include <string>
#include <vector>
#include <boost/algorithm/string.hpp>

std::vector<std::string> split(const std::string& s, char delim) {
    std::vector<std::string> elems   ;
    boost::split(elems, s, boost::is_any_of(delim));
    return elems;
}

正規表現

複雑な分割パターンが必要な場合は、正規表現を使用することができます。C++では、std::regex クラスやサードパーティの正規表現ライブラリを利用できます。

性能と選択

これらの方法の性能は、文字列の長さ、デリミタの頻度、使用するコンパイラなどによって異なります。一般的には、std::stringstreamstd::getline の組み合わせがバランスが取れており、多くの場合に適しています。

適切な方法を選択する際には、以下の点を考慮してください:

  • コードの可読性: シンプルでわかりやすいコードが優先される場合、std::stringstreamstd::getline が良い選択肢です。
  • 性能: 高い性能が必要な場合は、ベンチマークを行い、最適な方法を選択してください。
  • 機能性: 複雑な分割パターンが必要な場合は、正規表現を使用する必要があります。

注意:

  • 上記のコード例は基本的な分割機能のみを提供しています。実際のアプリケーションでは、エラー処理や追加機能が必要になる場合があります。
  • Boostライブラリを使用する場合は、適切にインストールする必要があります。

c++ parsing split



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